こんにちは、社会福祉士兼業ブロガー・弥津(@yazusui)です。
このように、家族や友人、同僚から相談を受けた時、相手を満足させる「悩みの聞き方」は何か、分からない方がいるかと思います。
でも、大丈夫です!!
この記事で分かること
- 悩める人の心を癒やすポイントは「先の見通し」。
- 適切な相談対応が出来た私の経験例。
- 信頼される相談の乗り方5つの手順。

社会福祉士としての高齢者とその家族との関わり経験をもとに、私がこの疑問にお答えします。

というわけで、今回は人の心を癒やす相談の乗り方について説明していきます。
先の見通しが見えれば、相談者は悩みの大半を解決できる!
大きなポイントはひとつ!
相談対応のプロじゃなくても、以下のポイントさえ分かれば、誰でも信頼される『悩みの聞き方』が出来るようになりますよ!
悩める人の心を癒やすポイントは「先の見通し」


結論、悩みを抱えている人が欲しいものは『先の見通し』!!
みなさんは悩んでいる時、解決策が欲しいですよね。
悩める人は『解決策』を求めています・・・それゆえに、『先の見通し』が欲しい!
人は悩んでいる段階で袋小路に入って身動きが取れなくなっています。
先に進む見通し(方法)を見つけたいのです。
そうだと分かれば、相談を受けた時の大きなポイントは理解できたようなもの。
ただ聞くだけでも癒やし効果はあるのですが、相談を受ける者として、さらにステップを進めたいのであれば下記の経験談や手順をご覧ください。
適切な相談対応が出来た私の経験例

こんな私ですが(どんなだ!?)、相談対応の専門職として13年超の経験を持っています。
その経験の中、悩みを持っている人の心を癒やすポイントを感じた瞬間が数多くあります。
その具体例をひとつご紹介します。
身近な人に理解されない「事実」
高齢者の悩み解決策を考え、実際に対応するのが私の今の仕事。
高齢者といえば『認知症』をイメージするかもしれませんが、精神障害を患っている高齢者の方も相応の数います。
本来見えないものや、していないはずの音を「見える」、「聞こえる」を訴える人は多い。
しかし、家族や知人にそれを訴えたところで、返事のほとんどは・・・。

そんなの絶対ないよ。
幻覚とか妄想じゃないの?
そう言われておしまいなのが、「普通」でしょう。
しかし、「見えない」、「聞こえない」は、世の中には『ない』というのが、私の感想。
本人が感じていれば、事実!
感じたのであれば、事実として受け止める必要があるのです。
「見える」、「聞こえる」を理解すれば心は繋がる
そう訴えて、近隣住民への過度な防衛行動や、攻撃的言動がおさまらない方がいました。
ご本人から電話で相談を受け、訪問したのですが・・・話しの内容に具体性のなさが時折目立つ。
ようするに、『感覚』が残っているだけなので、具体的な説明を求められても一部始終を答えられないのです。
しかし、本人の『感覚』は事実。
本人が「見える」、「聞こえる」であれば、事実なのです。
その後、私は「そう感じるのであれば、◯◯さんにとっては事実でしょうから」を肯定をしていきました。
すると・・・。
誰からも理解してもらえないことで、必要以上に追い詰められていたのでしょうか。
『傾聴して肯定する』・・・それだけでも、人の心は繋がる。
そして、解決策を一緒に考えて、実行を促す。
その後、私に全幅の信頼を寄せてくれたその高齢女性は、私の勧め通りに病院受診や介護サービス利用を行い、症状が軽減していきました。
私自身が『傾聴』と『肯定』の重要さを強く感じた経験として、今でも強く記憶に残っています。
信頼される相談の乗り方5つの手順

ここからは、心を癒やし、信頼される相談の乗り方について、具体的に手順をお話ししたいと思います。
- ①相手の苦悩を「事実」として認める
- ②最初は黙って聞く
- ③肯定してあげる
- ④先の見通しを一緒に考える
- ⑤自己決断を促す
この5つの手順を頭に入れて相談に乗れば、悩める人に癒やしを与えられるでしょう。
①相手の苦悩を「事実」として認める
「考えすぎ」、「勘違い」、「気のせい」などと、相手の苦しみを突き放す言葉はNG。
悩みに苦しむ人の『苦悩』は、まずは『事実』として認めましょう。
誰でも自分と同じ思いや経験を持った人に出会うと、親近感を持ちますよね。
適度な肯定を示すことで、まずは互いの心をコネクト(接続)できます。
②最初は黙って聞く
カウンセリングを行なっている意識で、相手の話しを黙って聞く姿勢が重要です。
相手の悩みを吐き出してもらい、情報収集を心掛けましょう。
方向性を示すにしても、情報がなくては判断できませんよね。
相手がどのような解決法を求めているのかは、相手の言葉の中に答えがあります。
③肯定してあげる
悩んでいる人の話は、一貫して『事実』として容認してあげます。
相手は話していくうちに、自分勝手な持論を言うかもしれません。
間違っていることを肯定するのは危険だと思った時は、『否定しない』を心掛ければOK。
否定する言葉や態度を出さなければ、相手は「理解してくれよ」と追っかけてくる事はありません。
肯定で誤解を招きたくないと思えば、否定はNGだと意識しましょう。
④先の見通しを一緒に考える
悩みを抱えている人が、最も欲しいのは『先の見通し』。
悩みをどうすれば解消できるか、一緒に考えていきましょう。
ひとつでも方法を見つけられれば、袋小路から抜け出せる見通しがたって、悩みが一気に吹き飛びます。
「万策尽きた」となると、人は絶望して思考機能が低下します。
似たような悩みの経験が自分にないかを思い出し、あればその経験談を語るだけで大丈夫です。
⑤自己決断を促す
解決法を一方的に提案すると、結果についての責任を求められる時があります。
悩みを持っている人が、自分の責任で行動するように、自己決断を促しましょう。
一緒に先の見通しを見つけたあと、「行動するかどうかは、任せる」と伝えます。
または、解決策は自分の経験談のひとつとして話し、無理して行動しろと勧めているわけではない形にしましょう。
それは、自分で考えて苦悩を解決する経験を積み上げる支援になります。
さらに、自分で決めて行動してもらえば、成否について責任転嫁される危険性が弱まります。
相談を受けるなら「肯定」を前提に!

いかがでしたか?
今回は、『悩める人の心を癒やすポイントを解説!信頼される相談の乗り方』と題してお話ししました。
- 信頼される相談の乗り方5つの手順
- ①相手の苦悩を「事実」として認める
- ②最初は黙って聞く
- ③肯定してあげる
- ④先の見通しを一緒に考える
- ⑤自己決断を促す
家族や友人、同僚など・・・人と関わっていれば、悩みの相談を受けることはあるでしょう。
悩み相談を受けることは、自分の経験値を上げる役にもたちます。
悩みを抱えた時に、袋小路から脱する見通しをたてる経験を積めば、あなたの人生は停滞知らずに。
他者の悩みを厄介だと思わずに、一緒に向き合っていきましょう。
相談スキルを身に付ければ、人として信頼できると評価が高まりますよ。
それでは。
以上、弥津でした。
「私は、同じマンションの人たちから嫌がらせを受けている」