こんにちは、社会福祉士兼業ブロガー・弥津(@yazusui)です。
このように、自分の本当の気持ちを整理して、言葉で表現するって難しいですよね?
この記事で分かること
- 意外と分からない「自分の希望」
- 自分の希望が分からない人への自己覚知のポイント

自分が何を求めているのか分からない方、また他者の思いを引き出したい方に向けて、高齢者福祉歴20年超の私がその経験から解説させていただきます。

というわけで、今回は『自分が何を悩み、望んでいるのかを自らに気付かせる「自己覚知」の仕方(ポイント)』について説明していきます。
意外と自分の本音・本心には本人が気付いていないもの。
質問ネタを多くそろえて問答することで本人に自分の思いに気付いてもらいましょう。
ほんのちょっとのコツを知るだけで、自分や話し相手の本音を見つける方法が身に付きますよ。
意外と分からない「自分の希望」
自分のことは自分が一番分かっているのかというと、意外とそんなことはないものです。
その逆で、自分のことは自分が一番分かっていないのかもしれない・・・そう思う私。
まずは、私が仕事で介護認定申請の相談を受けた高齢者さんの家を訪問した際の話を、ひとつの例としてお話しします。
自分の希望を答えられない本人
長女さんと同居しているのですが、その長女さん・・・「母は私から介護される事を望んでいるんです」と自信満々に話していました。
でも、実際は実の子から身体介護をされるのは、とても気を使うものです。
介護されると親としての威厳がなくなり、恥ずかしい姿を子供に晒す事になります。
この方は自分に何が必要なのかを引き出す為に、本音を気付かせる「自己覚知」に導く必要がありました。
自分の希望が分からない理由
介護を受ける高齢者のほとんどが、表面上は「何も不満はない」と言っていても、介護される辛さに葛藤しています。
人には「いつまでも自分らしくいたい」という思いがあります。
それがゆえに、自分の輝かしい実績に固執したり、誰にでも威圧的な言動をする時があります。
それに加えて、衰えに絶望し、無気力になっている方も多くいます。
その複雑な感情が重なり合わさって、自分自身が何に困っているのかを理解できないのです。

今の自分が満足できない状況だとは分かっていても、具体的にどうしたら良くなるという考えが浮かばない。
また、自分が今、喜怒哀楽のどの感情にあるのかも自覚できないケースがあります。
「何をすれば今の自分が改善できる」という方法論が分からない時、たいがいの場合は「諦める」で終わらせてしまいます。
でも、本音は必ず、頭の中に残っています。
それを探しだす為にはどんな作業が必要なのでしょうか。
自分の希望が分からない人への自己覚知のポイント
みなさんは頭の中では分かっているのに、実際に言葉として表現できなくて困った事はありませんか?
自分が思っている事を口に出して、相手が理解できるように伝えるって結構難しいものです。
自己覚知に導く為の会話術
自分の心理を読み解くことは、自分の癖を理解するくらい困難な事。
癖って相手は気付いても、自分では気付けないですよね。
でも、人から指摘されたり、具体的に行動例を説明されると、自分の知らなかった癖も理解できるものです。
「自己覚知」は会話の中で色んな指摘を受けながら、自分の口から出てくる言葉によって「自分の本音」を知ること。

自分の気付かない無意識の世界を把握すると言う点では、自分の癖に気付く事と似ています。
ある程度は「指摘」しないといけませんから、相手を立腹させないような言葉遣いと信頼関係が必要です。
初対面でいきなりというのは少し難しいでしょう。
でも、相手があなたに助けて欲しいという思いが強ければ、初対面でも多くを語ってくれるでしょうし、あなたも相手の心を読み取るヒントをもらえます。
自分の経歴や武勇伝・・・なかには、あまりにも長く、聞く事が面倒な話もあるでしょうが(笑)。
相手の心を知るには、世間話や過去の生い立ちなどの遠い昔の話から入っていき、徐々に現在の話に持っていくといいでしょう。
自分が頑張った過去を語り、聞いてもらえただけでも、相手はあなたを味方だと認識してくれます。
そして、その満足感を持ったまま、現在の心境を話してもらう。
どんな自分になりたいか。どんな風に家族などの他者に接してほしいのかを聞きながら。
「あなたは◯◯と思っているんですね」、「まとめると◯◯という事なんですね」と相手の言葉のまとめ作業を繰り返す。
そうしているうちに、相手は「私はそんな風に思っているんだ」、「私はそんな悩みを持っているんだ」と分かるようになってきます。
相手の思いを組み立てて、形にして見せてあげるイメージです。
相手も組み立てられた自分の思いを見ることで、多くの気づきを呼び、「自己覚知」に至るのです。
感情を表に出してもらえる「環境・関係作り」を
多くの言葉を発してくれる人であれば、その人の心の中を整理しやすいでしょう。
しかし、言葉数の少ない人もいますよね。
あまり言葉で表現してくれない寡黙な人の場合、どうすればいいのでしょうか。
寡黙な人は言葉が少ない代わりに、相手をよく観察しています。
自分のことをどう思っているのか・・・それを相手の態度や表情で読み取る力に長けています。
話しづらくても、「苦手だな」という表情をしてはいけません。
また、体をソワソワさせたりすると、「本当に話す気はないな」と見透かされてしまいます。
インターネットで検索すると、このようなインタビューの質問例が出てきます。
相手の気持ちを引き出すのも、取材という意味では似ていますよ。
参考にしてみてください。

【まとめ】
いかがでしたか?
今回は「相手に自分の本音を気付かせる、自己覚知に導くポイント」について説明してきました。
人は褒められればうれしいもの・・・相手の人生を肯定し、興味を示してくれる人を悪くは思いません。
【この記事のまとめ】
まずは、「相手の思い」に関心を持つようにしましょう。
そして、頭の中でバラバラになったパーツを一旦吐き出してもらい、組み立てる作業をあなたがするのです。
自己覚知の作業はパズルを組み立てる事と同じですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
以上、弥津でした。