認知症に詳しい医師を増やす為に必要な医師間の知識共有

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こんにちは。弥津です。

ケアマネとしての業務の中で、医師と話す機会が時折あります。

今回は、医師であっても認知症に詳しくない』というある医師のお話をもとに、認知症に詳しい医師を増やす為に何が必要について考えます。

私たち一般人の感覚として、「お医者さんなら、常日頃から知識を広げる為に勉強しているものだろう」、または「お医者さんは何でも知っているはず」という思いがあるのではないでしょうか。


しかし実際は、内科のお医者さんであっても認知症の知識のあるなしは「個人差あり」です。

なかには、誤診が怖くて認知症の診断は絶対出さない医師がいます。


認知症の方々が今後も増えていくと推測されている昨今。

いつまでも、医師が認知症の診断・治療に積極的にならない状況が続くままで良いのかと不安になってきます。


私をそう思わせる、ある「機会」が先日ありました。

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医師だからといって誰でも認知症に詳しいわけではない!

行政が主催する認知症関連の研修会に参加した時のこと。


私の隣に座ったのは、県では有名な在宅専門医の先生・Aさんでした。

気さくな性格のA医師は、隣に座る私に自ら挨拶してくれたあと、「認知症って対応できないんだよね、僕」と本音を打ち明けてくれました。


中休憩の合間にも質問させてもらいましたが、毎日の多忙な業務の中で認知症の知識を書籍で蓄える時間も体力もないのだとか。

「私たちのようなタダの内科医は認知症の知識がないんだよ」


あまりにもはっきりと、自分に知識がないことを話すA医師。

ぎゃくに、人間味があり、好感を持ちました。

そのあと、A医師はこう続けます。

「仕事の中で学ぶしかないからね。でも、いきなり目の前に認知症の患者さんが現れてもどう声をかければいいのかも分からない。そんなときに、電話して助言をもらえる認知症専門医が欲しいんだよね」


医師自身が「助言がもらえる専門医が欲しい」・・・。

たしかに、誰だって全知全能ではない・・・自分に不足しているものを持っている人に、助けを求めたいのは私だって同じこと。


医師も「普通の人」なんだなと、いたく感心しました。


でも、そのあとに続けて私にある疑問が。

「お医者さん同士って、そもそも話す機会があるの」??

医師が感じる精神科という特別な領域

私たちケアマネも、他事業所のケアマネと仲がいいのかというと・・・正直、そうではありません。


市役所や地域包括支援センターという、高齢者の最終責任機関や出先機関とは仕事で交流があります。

でも、同職種の事業所はある意味で「ライバル」。


高齢者を多く担当しないと経営が倒れてしまうので、地域によっては高齢者の取り合いになっているところもあるのではないかと想像してしまいます。


これは、医師であっても同じではないかと考えました。

A医師に「ドクター同士って仲がいいですか?」と直球質問をぶつけたところ、こう返ってきました。


「みんな自分の得意分野に自信持っているからね。分からないから教えてって言っても、出し惜しみするお医者さんもいるから」

ようするに、自分の専門分野の知識を簡単に他の医師に提供することに拒否的な人がいるのだとか。


「それに認知症の場合、精神科のお医者さんが対応することが多いでしょ?そうかといって、精神科のお医者さんには相談しづらいんだよね。『精神科』って医師の中でも特殊な世界というか・・・踏み入れがたい空気があったりして」

A医師ほどの県下でも有名なお医者さんであっても、踏み入れがたいと感じる同業者がいるということに驚きがありました。


A医師は、精神科のイメージがそのまま認知症に繋がってしまっているようにも感じました。

そして、「精神科とかの認知症に詳しいお医者さんがもうちょっと私たちが相談しやすい環境を作ってくれるとありがたいんだけどね」と続けます。


なるほど・・・医師の間にも気を遣う分野があって、それが認知症に間接的に影響があるんだなと分かった私です。

医師間で認知症の勉強ができる仕組みを

最後に、前述の「意見」から私が感じたこと。

それは、認知症への対処が遅れている原因の一旦は、「医師が認知症にまごまごしている環境」にあるのではないかと思う点です。


認知症が原因で、内臓疾患が悪化したり、事故によって骨折したり、視野や聴力に不調を訴えだしたり・・・結局は、すべての診療科と認知症は無縁ではないのです。


「私は認知症に直接関係のない診療科だから」といって、避けようとしている医師がいるのであれば、それは違うと思います。

全医師が認知症を正しく知り、対応できないようでは、今後大半の高齢者を正確に診察できないのではないかとも感じます。


A医師のお話のように、医師間が仕事の中で助言を求めたり、提供できる『空気』をまずは地域に作る必要があるのではないでしょうか。

そして、認知症の知識のある医師に、他の医師が素直に教えを乞う姿勢。


認知症を自分のことのように考え、勉強会にも積極的に参加して欲しいものです。

そして、勉強会参加が無理なら、仕事の中で学ぶしかありません。


認知症のような対応が「専門的」な病気がある中、今後は医師には「謙虚に自分の知らないことを教えてもらう姿勢」が一層求められるのではと感じる、私の勝手な考えでした。


それでは。
以上、弥津でした。