なぜケアマネジャーは「質が悪い」と簡単に批判されてしまうのか

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こんにちは。弥津です。

今回はケアマネジャーである私が、自分自身に問題提議する意味で、勝手に以下について持論を展開させていただきます。

一部のケアマネはなぜ頑張っていても「質が悪い」と簡単に批判されてしまうのでしょうか。

世間では「ケアマネジャーの質が悪い」といった不満意見が多く聞かれます。

ネット検索しても、ケアマネに対する苦情のような記事、書き込みが目立ちます。


果たして、自分が合格点にあるケアマネなのかは今回さておき・・・どうして「ケアマネの質が悪い」と言われてしまうケースが多いのかについて考えることにしました。

そこには、ケアマネという資格の「全体的に中途半端な専門性」にあるのではないかと思うのです。

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資格の重みを感じにくい「ケアマネ」の悲しさ

ケアマネジャーは高齢者の「困り事」に対処する専門家。

いわゆる『在宅介護支援のプロ』です。


困り事に対処するプロといえば、すぐに思いつく職業は『弁護士』ですよね。

ケアマネジャーと弁護士を比べるのはどうかという意見があるかと思いますが、今回はあえて比べさせていただきます。


弁護士といえば、世間一般で有名な難関資格です。

誰でもなろうと思ってなれる資格ではありませんよね。


受験資格を得るにも多くの資金と時間、そして能力を必要とすることは周知の事実です。

それに比べて、ケアマネはどうでしょうか?


ケアマネは弁護士と同様に、困難な状況を克服する為のマネジメントを行う専門家。

それなのに、資格は『国家資格』ではありません。都道府県が管轄・実施する『公的資格』なのです。


『国家資格』に重みを感じる人達からすれば、ケアマネは国家資格でないので軽く感じる要素かもしれません。

それに、ケアマネジャーが誰でも真似できないという「絶対的な」資格といえばそうではないのも事実。

IT関連の国家資格とかはいかにも難関そうですし、気象予報士や理・美容師、そして医師や看護師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士などなど・・・どれも聞いたことはあるけど、気軽に取得できそうな雰囲気ってありませんよね。


それはその資格達が『日常からかけ離れている』感覚がするからではないでしょうか?

ようするに、自分に手が届きそうにない仕事たちなのです。


その一方で、ケアマネジャーは「施設で長く働けば取れる資格」として『自分でも届きそうなもの』と認識されているのではないかと感じます。

誰でも把握できるわけではない難しい知識や法律、技術を有しているというイメージがわかないのも介護系資格の悲しいところです。


いい意味では『身近で親しみやすい』。

悪い意味では『高い技術を持っているように見えない』。


実際に、そう思われてしまうのには、それ相応の理由があると私は思います。

ケアマネジャーが「質が悪い」と簡単に批判されてしまう私の考える理由

ケアマネジャーに批判的な目を持たれてしまう理由は、国家資格うんぬんだけではありません。

実際に働いているケアマネたちの仕事ぶりへの評価が一番だと思います。


それでは、ケアマネのどのような点が評価を落としているのでしょうか?

福祉関係法を知らなくても働ける

正確には「働ける」ではなくて「働いている」が正しいかもしれません。

仕事をする上で「法律」を把握して、それに沿って業務を行うことは基本中の基本です。


法令遵守を怠れば、違反をおかしたとして、悪質なケースは罰則や廃業に追い込まれる事態が待っています。

介護分野も同様です。


介護保険法などの福祉関係法には、その分野で働くものの心得や守るべきルールが明示されています。

しかし、ケアマネを含む多くの介護関係者が、この法令をほとんど覚えずに業務にあたっているのは現状です。


私の周りにも、介護保険法にかかれている「ケアマネや事業所が必ず行わないといけないこと」を把握していない職員が多くみられます。

また、行政が介護保険法を分かりやすく説明した『居宅介護支援マニュアル』をまったく把握していないケアマネや管理者が目立つのです。


法令遵守ができていないと思われる人や事業所の方がほとんどではないかと疑ってしまうほどです。


このような「無知さ」は、支援を受ける高齢者や家族にも伝わります。


高齢者や家族が質問しても明確な返事がもらえなかったり、説明が怪しいと感じたり・・・。

ケアマネ本人が、法律やマニュアルを理解していないがゆえに、自分がしている作業も何を根拠にしているのか分かっていないからです。


そういった人達は行政の実地指導で問題点を指摘されるでしょうが、即業務停止ってことは少ない。

指摘を指定期間内に改善すれば、許してくれるケースがほとんど・・・ですから、あまり深刻に考えていないケアマネたちも多いのではないでしょうか?

下手なプランでも成り立つ

ケアマネジャーの能力が一番問われるのが、『ケアプラン(介護サービス計画)』の作成です。

ケアプランとは、介護サービスを受ける高齢者が「困難な状況を改善するために、どう目標を持って介護サービスを利用するのか」を示した計画書です。


これをケアマネに作ってもらわないと、介護サービスは利用できないという重要なもの。

しかし、このケアプランですが、その『質』はケアマネによってまちまちです。

そこには、「ケアマネの性格」、「ケアマネの洞察力」、「ケアマネの文章力」によって出来が大きく変わってくるのです。


私の事業所でも全員が同じケアプランを作るわけではありません。

「こんな視点があるのか!すごい!」と思えるプランを作るケアマネがいれば、文章も少なく「中身スッカスカ」なケアプランしか作れないケアマネもいます。


じつは、どちらのプランも有効なのです。


ケアマネ資格を更新する際に、ケアプランを作成する1から10までを再度教えてもらうのですが、ケアマネの持つケアプランを作る『個性』は変わりません。

質の悪いケアプランを淘汰する仕組みはありません。


ケアマネ本人が、自分の問題性に気付けば直る、気付かなければダメなままなのです。

高い専門性が伝わるようなケアプランを作れるケアマネがどれくらいいるのか、そして自分がその域に達しているのか・・・気になる私です。

心がなくても働ける

心がなくても働けるというと、「弁護士なんてもっと冷やかで心を感じないじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。

でも、職業によっては「心が必要なのか」、それとも「心を入れてはいけないのか」に分かれますよね。


たとえば、弁護士は仕事柄、感情に流されてはいけない場面が多い。

その一方で、ケアマネは感情を共有する能力が必要な仕事です。


それなのに、感情の読み取り能力が充分でないケアマネが多いと感じます。

うちの職場には、「全ては人のせい」といった問題のある思考を持った職員がいますし、支援記録やケアプランの文章力がどうにもこうにもおかしい職員もいます。


わがまま放題で、高齢者や家族に危害を与えるケアマネであっても、クビにしないのが福祉業界の良くないところです。

一般企業と違い、介護保険など公的資金によって「生かさず殺さず」運営の中にいる介護業界は、多少の問題職員がいたとしても経営破綻までにはなりにくい。


ケアマネ資格を持っている人が多いけれど、給料が安いこともあって、現場で働く意欲のある人は少ない・・・資格保持者は潤沢でも、現場で活躍できるケアマネは「人材難」なのです。

だから、心のない職員であっても雇用しつづけないといけない・・・そんな問題点もケアマネの質を落としている原因ではないでしょうか。

研修に耐えればいいだけの更新で良い人材は育つのか

以上、私のわがまま放題な持論でした。

私に対しての「呼びかけ」、「問題提議」のつもりで今回お話させていただきました。


最後に、私が感じるもうひとつの問題にふれてみたいと思います。

それは、先程少しお話した「ダメなケアマネが淘汰されない仕組み」について。


知識を蓄えようとしない、心を持って人と接することをしないなど・・・このような人達が今の研修制度で改善できているのか。

改善するかどうかは「その人任せ」。


研修を開催する都道府県は、その『結果』に一切の責任をおわないのです。

ダメなケアマネがダメなままでも「本人次第」。


都道府県は最低限行わないといけない研修開催という仕事をこなし、それに最後まで耐えられた人に画一的に資格を保持させる権限を与える・・・。

研修で「知識」や「態度」などで合格点に達しない人は、更新を認めないくらいの仕組みが必要ではないか。


実際に、「そんなことをすると世の中のケアマネのほとんどがいなくなる」・・・そんな意見をいった同僚がいました。

たしかに・・・ジレンマですね。


ケアマネ資格は取ったけど、低報酬やストレス過剰が問題で、他の職種で働いている人が多くみられます。

ケアマネになれば、多くの人を救えそうな人達が他の分野で働かざる負えない・・・。


福祉業界の人材難を防ぐためには、以前から言われ続けていることではありますが、この業界を賃金や仕事内容で働きやすいものにする改革が、更に必要でしょう。


他の何かに責任があるとして改善してくれるのを待つよりは、自分のスキルを上げていくという視点が最も大切なのかもしれません。

しかし、まずは今の自分を向上させることから。


他の何かに責任があるとして改善してくれるのを待つよりは、自分のスキルを上げていくという視点が最も大切なのかもしれません。

今、関わっている高齢者や家族を満足させることが優先なんでしょうね。


それでは。
以上、弥津でした。