高齢者困窮の裏には何歳になっても自立できない子供の存在が

2018年4月5日

こんにちは。生活苦から自立したいと切に願う、ケアマネジャー弥津です。

私は仕事柄、生活に困窮した状態にある高齢者と多く出会います。
今回は、高齢者の生活困窮の裏には、何歳になっても自立できない子供の存在がある」というお話です。

これから、私が在宅の高齢者支援に関わりだして間もない当時の事例をご紹介します。

一人暮らしの70代男性(以下Aさん)。

コンビニ店員にお金がなくなって困っているので助けて欲しいと訴えた事がきっかけで、私が介入することになりました。

以後は私の支援の流れと、その過程で分かったことの記録です。


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事例(前編)「なぜお金が減っているのか」

Aさんは初回面談ですぐに分かるほど、かなり認知機能が低下していました。

何を聞いても「何もわからんなった」「もう死にたい」を繰り返すばかり。
自宅内もゴミ屋敷に近い状態でした。

本人は「貯金はいつの間にか無くなった」と話しています。

実際に通帳をみせてくれましたが、ここ5年ほどで大きな金額がたびたび引き出されていました。

それについても本人は「何に使ったか覚えていない」と。

通帳残高も残り5万円ほど。年金は二ヶ月で28万円のようでした・・・我が県ではこれくらいあれば充分生活できるはず。

買い物を豪勢にしている形跡もないし、パチンコなどの遊戯に行けるような認知機能でもない・・・。

一体、入ってきたお金を何に使うために預金から引き出しているのか

しかし、入ってきた年金はどこに?
部屋を探してもお金は出てこない。

Aさんの寂しいので老人ホームに入りたいとの言葉でホーム入所に向けての手続きと調整が一気に加速。

しかし、受け入れてくれる有料老人ホームが決まってきたところで、ある人物が登場してきます。

そこでお金がなくなっていた理由が分かってきました。


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事例(後編)「父親の預貯金を頼りにしている息子」

Aさんは「家族はいない」と言い続けていましたが、突如「音信不通の息子がいる」と口にするように。

思い出したAさんは次々と息子に関する情報を話し出します。

「カネに困っているから貸してくれ」「お金がいるから貰いたい」といって息子が突然やってくる事があったとAさん。

実は息子は音信不通どころか、Aさんの住んでいる貸家近くにこっそりと移り住んでいたのです。

有料老人ホームに移る前日・・・それをAさんから聞きつけた息子はホーム入所を阻止しようと試みます。

入所予定の有料老人ホームに電話をしては「父はホームに入りたくないと言っている」と主張。

また、私には「父に金を貸しているので、返してもらうまではホームに入られては困る」と言い出します。

徐々に息子についての話がAさんから出てくるようになり、真実がはっきりとしてきました。

息子の親へのおねだりは10年くらい前から始まったことが分かってきました。

当時のAさんは、お金に困る子供が不憫でならず必要という分だけ渡していました。

貰った息子はそれが癖になり、仕事をする意欲も消え失せる・・・。

そして、Aさんの認知機能が低下しだすと、お金を渡したことも忘れてくれるようになる。

息子にとっては好都合。

暗証番号を忘れている今のAさんではATMでお金を引き出すことが難しい・・・通帳に記載されているATMでの引き出し履歴は息子によるものだった事が分かりました。

息子がAさんの有料老人ホーム入所を阻止しようとしたのも、入所されるとお金が自由に使えなくなるからです。

最終的には有料老人ホームの施設長さんがAさんのお金を管理し、息子は「職を探す」と言い残して連絡が途絶えたようです。


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親孝行したければ、まずは経済的に自立を

この事例から分かるのは、お金をあげる方、もらう方の両方に問題点があり、それを自覚できていなかった事です。

息子とはいえ、お金をあげる方も不正解。もらって済ませようとする方も不正解。

充分な貯蓄や年金があるはずの高齢者が、ここ数年で急に生活苦に陥っている場合、詐欺被害か家族に金銭を搾取されている可能性があります。

親のお金を頼って生きても、一人で生活する力は身に付きません。
そのうち、親は先に他界。

働く術を忘れた子供は楽して金銭を得る方法しか考えません。
他者を騙して奪い取る道を選ぶかもしれません。

今まで自分が育ってきたのは親がお金を稼ぎ、自分の為に使ってくれたから。
その「子供投資」は、子供を自立させる目的であるはず。

投資を受け取った子供は、自分一人で稼ぎ、他者に依存しない生活ができるようになる「使命」を負っているとも言えます。

親孝行とは何かを考えると、私の結論としては「経済的に自立すること」だと思います。

貧乏でもいいので、しっかりと親や他者に依存せずに生活できるようになることです。

「親への恩返し」とは、親に依存せずに生きていくことなんでしょうね。
早いうち、親を自由の身にしてあげないといけませんね。

私は確かにケアマネジャーの安月給で生活費は潤沢ではありません。
でも、親に何かを買ってもらうわけでもなく、現金を借りるわけでもなく・・・遺産なんてのも全くなし。

ある意味で、双方が自立してますよね(笑)。

「自分が困ったら貰って済ませる」・・・この考え方が「自立」の一番の弊害。

今後も「親になんか依存してたまるか」と心に決めた私です。

それでは。
以上、弥津でした。

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