こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
とある日、私の知人女性が
犬は人を裏切らない
と言っていました。
でも・・・
えぇ?
犬だから無条件に愛してくれるって勘違いじゃない?
犬は本当に人を裏切らないのかな?
と、一人考えているうちに、私はある事に気づきました。
元愛犬家の私ですが・・・「無条件の愛」は動物であろうが、人間であろうが『ない』と考えます。
『人間は自分の望みを、都合よく他者に当てはめる生き物』だと気付いたんです。
「動物だって自分本位では?」という疑問
私の知人Aさんは、ねっからの犬好きで、自宅にチワワ二匹を飼っているとのこと。
先日Aさんに会った際、愛犬ついて尋ねると、おふた方ともたいへんお元気な様子。
最近の様々なほのぼの愛犬エピソードを聞かせてくれました。
そんなAさんに「ホント、Aさんってワンちゃん大好きだよね」って何気に言ったところ。
Aさんは胸を張って
だって、犬って人間を裏切らないからね。
と答えました。
関連記事『人間不信を防ぐ!信頼していた人に裏切られた時の対処法』(※別ウィンドウで開きます)
Aさんと愛犬たちは、とても良い関係が構築できているのでしょうが・・・でも、何でも疑い深い私は
犬の自己防衛本能は人間より強そうだし、ときに人を利用したり、裏切ったりしそうだけど。
と考えてしまう。
結局は、人間が自身の「愛されたい」欲求を満たすためにそう思い込んでいるだけではないかと思うのです。
動物も人も、自分を大切にするという意味では「自分本位」であることは同じ。
犬が『裏切らない』というのは、人の犬に対する「裏切らないで欲しい」という一方的な願望にすぎないのではと感じます。
【持論】犬は人を裏切らないとは言えない理由
ここからは、犬は人を裏切らないとは言えない理由について考えていきます。
- 犬が裏切らないかどうかは「序列」次第?
- 犬の行動全てを「愛情」と錯覚してはいけない?
犬の本能や傾向を理解し、人間の独りよがり状態を改善したいところです。
①犬が裏切らないかどうかは「序列」次第?
犬は本来、群れの中で序列を作って生活する動物です。
群れのボスが誰なのかを判断し、その序列に従う傾向があります。
犬が飼い主を下に見ている(馬鹿にしている)時の行動は以下のようなものです。
・散歩中、飼い主のことはお構いなしに愛犬が行きたい方へ行く
引用:愛犬に馬鹿にされてない?当てはまる行動と今からでも間に合うしつけ方を解説
・自分の要求を訴えるべ、くしきりに吠える
・噛み付いてくる
・飼い主の指示を聞かない
・マウンティングをしてくる
飼い主は犬が愛してくれていると思えば、これらの行動に特に問題を感じないでしょう。
「飼い主への愛情表現のひとつ」、「どの犬でもする行動」と思う人がいれば、なかには「自分に懐いている証拠」として良い方に捉える人もいるかと。
私は過去に、柴犬君とスピッツの雑種ちゃんを飼った経験があります。
ですが、一匹目の柴犬君は、私たちの無知さゆえに飼いづらい犬にしてしまいました。
食事は一番先に与え、散歩も近隣にある広い公園でリード(引きひも)なしに自由奔放に走らせる。
犬の要求吠えに素直に従い、横になっている私たちに乗ってきても怒りもしませんでした。
そうしているうちに、うちの柴犬君は「俺がこの集団のボスだ」と認識したのだと思います。
すると
- 食事を一番先に与えないと激しく吠える
- 散歩の際に公園までの道のりをやたらと引っ張る
- お客が来たら噛みつく勢いで襲いかかる
- 家族全員が呼んでも来ない
このような傾向が顕著になってきました。
私たちは「ダメな犬」というレッテルを貼っていましたが、よくよく考えると私たちの接し方が適切でなかったことが原因なんですよね。
当時の私は「犬は無条件に飼い主に従う」と考え、そうでないうちの柴犬君を「質の悪いダメ犬」と決めつけていました。
結局は、序列を教えることをしなかった飼い主の責任。
うちの柴犬君は、ボスとして私たち家族を従えようとしていたのだと、大人になってようやく分かった私でした。
②犬の行動全てを「愛情」と錯覚してはいけない?
飼い主が犬からの愛に期待しすぎると
- 「犬だから、リードを引っ張って当たり前」
- 「犬だから吠えて当たり前」
- 「犬だから時には人を無視して当たり前」
・・・だって犬だもの・・・となって、犬の問題に気付きにくくなるのです。
犬の行動全てを「犬だから当たり前」で片づけてしまうと、本当は愛されていないことに気付かないままに。
飼い主は愛犬が自分を愛してくれていると思っていても、実際はあなたとランク下として軽視しているかもしれません。
「下」に見ている相手に対し、知人Aさんの言うような「犬は人を裏切らない」が当てはまるのか。
自分が群れのボスだと思っている愛犬は、基本的にあなたの指示を容易に背くでしょう。
飼い主がボスとして君臨してくれていれば、そんな素敵なボスに従える喜びで愛犬は満たされます。
犬が飼い主に愛情を注げる時は、飼い主がボスとして頼もしい存在になってくれている時。
「無条件の愛情」を愛犬がくれることを期待し、自分が無条件の愛で「全て容認」の姿勢を持つことで、勘違いさせてしまうリスクには注意が必要です。
「犬は人を裏切らない」の私なりの結論
人間同士でも、仲の良い相棒だと思っていたら・・・実は、見下されていた、馬鹿にされていたなんてことありますよね。
自分の身を第一に守りたいのは、犬も人も同じ。
犬も人も同じという意味では、犬でも「見下し」、「裏切り」は当たり前にあるのではないかと考える私です。
「裏切らない」のは、飼い主が『尊敬できる存在』なのかによります。
ようするに、人間が愛犬を正しく育てるという『信頼』を与えれば、信頼を返してくれる。
人間が愛犬を粗雑に育てるという『裏切り』をすれば、裏切りで返される。
犬が本当に裏切らないのかは、人間の接し方次第。
人間が自分の愛犬への育て方を顧みらず、何でも「犬は裏切らない」というのは人のエゴと言えるでしょう。
【この記事のまとめ】
愛犬が裏切らないのかどうかは、先に愛犬に対して正しく接したかどうか次第。
粗雑な接し方で先に人間が「裏切り」をしないように、愛犬の正しい育て方を学びましょう。
犬でも人でも「従順」なのか「裏切られているのか」は、結局のところはこちら側が「愛犬の常識」を正しく認識しているのかどうかなんですよね。
そう気付いた私でした。
それでは。
以上、弥津でした。
【私の疑問】