こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
巷では『マザコンとムスコンの増加』が話題になっています。
「母親や母親似の女性を慕う傾向」のある男性を言う『マザコン』と、「息子を異性として見て、溺愛して止まない母親」である『ムスコン』が増えている。
引用:30歳で一緒に入浴、風俗に母親が同伴…増える「親子共依存」に警鐘
自分がマザコンなのか、ムスコンなのか、そして「このままでいいのか?」
今の親子関係に不安を抱えている方、いるのではないでしょうか。
息子が自立に向けて取り組めば解消できます(ただし、出来るだけ早い年齢の方が良)。
今回は、マザコンとムスコンでがんじがらめになっている方に向けてお答えします。
息子は母親に依存せず、早めに旅立つ意識を持ちましょう。
具体的な心掛けをお話ししますので、ぜひ参考にしてみてください。
親子で依存し合ってませんか?
マザコン・ムスコン(共依存)を取り上げた元ネタ記事の概要は以下の通り。
◎AbemaTVの番組が、増加傾向にある「母親と極めて仲の良い男性」を特集した。
引用:30歳で一緒に入浴、風俗に母親が同伴…増える「親子共依存」に警鐘
◎30歳になっても母親と入浴する人や、風俗店に母親を同伴する人もいるそう。
◎行き過ぎた「親子共依存」は、子どもの自立機会を奪いかねないとの指摘も。
社会福祉士である私は、高齢者支援をする中で、親と子の『共依存』問題に関わった経験があります。
私の場合は、「高齢になった母親と40代~60代の息子」といったパターンが多かったのですが、息子が中年を過ぎると職を見つけにくい事もあって、共依存解消は困難を極めました。
共依存対応の一例を、関連記事『親が子供を突き放せない事から生じる「共依存」の悲惨さ』(※別ウィンドウで開きます)で説明していますので、あわせてご覧ください。
共依存でひとつ問題なのが、「双方が自分の責任だと捉えていない事」です。
親子がいつまでたっても離れない状態を、親は「子のため」、子は「親のため」といい、責任転嫁していると感じます。
【持論】3パターンのマザコン・ムスコン
これはあくまで私の持論なのですが、マザコン・ムスコンには以下の3パターンがあります。
- 【溺愛型マザコン・ムスコン】親か子のどちらか、あるいは両方が溺愛。「私は必要とされている」と訴えて離さない・離れない。
- 【遺恨型マザコン・ムスコン】子が親への恨みを抱えて「仕返し」として生活面・経済面で頼る。または親が自分の理想通りにならない息子に怒り執着する。
- 【貧困型マザコン・ムスコン】経済的に困窮した親が子の収入に依存、または子が親の収入に依存。
これらの要素が合併しているケースもみられます。
溺愛型は
- 孤独になるのが怖い
- 誰かを支配したい
以上の不安や欲求が強いとハマりがちに。
また、遺恨型は
- 人生が上手くいかなかったのは親のせい
- 跡継ぎとして立派な長男に育ってくれないと困る
以上のような執着が原因となります。
さらに、貧困型は「金銭面で困窮した時」に
- 親なら子供の面倒をみるのは当たり前
- 子供は親が困った時には恩返しするべきだ
このような身勝手心理が影響して陥ります。
ムスコン母とマザコン息子になる理由
ここからは、ムスコンになる理由とマザコンになる理由の双方を考えてみます。
- 母親がムスコンになる理由
- 息子がマザコンになる理由
私の考えるそれぞれの理由を説明します。
①母親がムスコンになる理由
「過保護に育てられた経験」がある女性は、ムスコンになりやすいと言われています。
過保護に育てられた親は、子供を過保護に育てる方法しか知らないから。
マザコンは、母親のムスコンがきっかけだと私は考えています。
また、その反対に「親からの愛情に欠乏している」母親も子供に過剰な精神的依存をする傾向があるように思えます。
自らが幼い時に欲していた「親への甘え」の代償として、子供に甘えてしまうパターンです。
さらには、核家族化によって、母親が孤独を感じやすい環境になったこともムスコンが増える要因だと考えます。
一昔前は、親子三世代同居が多い時代でした。
子供が独立しても家庭内で孤独になることは少なかったと思います。
その反面、現在は子供が旅立つと夫と自分だけの生活に、あるいはシングルマザーだと完全に一人置いて行かれる心境に・・・こうなると、孤独への恐怖が迫り、なりたいわけではないのにムスコン化してしまうでしょう。
以上のことから、育った環境がムスコンに導いてしまっていると想像できます。
②息子がマザコンになる理由
では、マザコンになる理由は何でしょうか?
幼少期は誰しも「マザコン」。
お母さんの事が無条件に大好き。
しかし、マザコンを脱する時期が自然にやってきます。
それが、反抗期です。
反抗期は「自立する準備」と言えます。
そして、自立は生きていく手段。
ただ、反抗期で充分に反抗出来ない場合、自立心が芽生えにくい状態になります。
自立心強化のタイミングを失うと、人は生きる為にもうひとつの手段を選びます。
それが、『依存』・・・マザコンです。
母元の快適さから抜け出そうとせず、自らの身を守る為に安全な場所に留まろうとするのです。
マザコン・ムスコンの何が悪いのか
一方で、「マザコン・ムスコンに何の問題があるのか」という意見があって当然。
そもそも『自立しない』と何が悪いの?
親子なんだから一緒にいてもいいじゃん!
親子が協力して生きていくわけだから、生き方のひとつとして良いのでは?
という考え方があるのも理解できます。
しかし、社会福祉士としてマザコン・ムスコン問題に関わった私としては、末路は明るいように見えないのが事実。
自立できない親子の「行きつく先は地獄」としか見えないですよねぇ・・・。
行き着く先が地獄だと思う、私なりのワケを説明します。
①マザコン・ムスコンにはお金がかかる
母と息子、互いに溺愛・執着していると、関係を維持するために何かを与える、あるいは奪いたくなります。
与えるにはお金が必要、そして奪う物にもお金が絡みます。
マザコン・ムスコンには、とにかくお金がかかります。
しかもお金を消耗するのがたいがい母親。
マザコン・ムスコンの本人たちは「心で繋がっている」と思っているようですが、実際はお金で繋がっています。
息子の所得が高い場合でも、関係維持にはお金が関連するもの。
私が仕事で関わったマザコン・ムスコンの共依存親子の全員が、金銭絡みでした。
母親が息子に使えるお金が減ってきてからが「地獄の始まり」となります。
②カネの切れ目で親子関係崩壊
ムスコンと思われる高齢女性は多いと感じます。
私が担当している高齢女性の中に何人かは、恥ずかしがらずに「息子が大好き」、「息子が生きがい」と言う方がいます。
ムスコン母は、息子の気を引くためにお金、物を使います。
あくまで私の支援経験の中でのお話しですが、年を重ねてマザコン・ムスコンから抜け出せない方は、一生そのまま。
または、関係が悪化するかの二択であることが多い。
悪化する場合は、お金が切れてしまったとき。
息子は長年受けた母からの恩恵が病みつきになり、少なくなると精神的に追い詰められます。
そして、母への要求を強め、最終的には恨みになる。
マザコン・ムスコンのまま突き進むと、カネの切れ目で親子関係終了となってしまう可能性が・・・。
関連記事『親子関係の悪化原因は親にあり!崩れた関係を修復・改善する方法』(※別ウィンドウで開きます)
マザコン・ムスコンを改善する方法
ここまでは、私の仕事からの経験をもとにマザコン・ムスコンの傾向・問題点を考えてきました。
では、マザコン・ムスコンを改善する方法はないのでしょうか?
①母親の考え方を変えようとするのは無駄
ムスコン母は長年の人生経験がゆえに、息子依存の思考が脳に結晶化しています。
結晶化した価値観は変えるのは困難、いや無理です。
なぜなら、ムスコンが精神を安定させる術だから。
それを失う事は生きる道がなくなるくらいの死活問題。
だから、ムスコン母は変えられないのです。
母親の考え方を変えようとするのは無駄。
適度な距離感で円滑な関係を続けられている高齢女性とその息子の特徴は、「息子が自立」していること。
息子が経済的にも精神的にも母親から自立しています。
かりに母親側がムスコンでも、息子が自立していれば関係性が絡まることはありません。
ようするに、息子がマザコンから脱却できれば改善出来るということです。
②息子が動かなければ一生変わらない
さらに考えれば、息子が動かなければ、マザコン・ムスコンは一生変わらないと言えます。
私としては、マザコン・ムスコンによる共依存を回避するには、「息子の自立に向けた一念発起」しか解決法はないと思うのです。
精神的な病に冒されていない限りは、人は一人でも生きていく術を持っているもの。
一方で、依存出来るものがあれば、依存したくなるのも人間です。
息子が一人で生きていく必要性を感じ、母親から旅立てば自然にマザコン・ムスコンは終わりを告げます。
しかし、必要なのは「息子が旅立つのは出来るだけ若い時に」という事。
母親が高齢になると息子に擁護者としての責任が生じます。
母親がまだ若い時に、ムスコンのぬるま湯から抜け出す息子の決断が必要となるのです。
自立の仕方に悩んでいる方は、若い男性・中年男性ともに、関連記事『中年独身に自立する意欲が出てこない理由と自立する為の準備6選』(※別ウィンドウで開きます)を参考にしてみて下さい。
依存しない生き方をする為に必要な『自分軸』
人への依存心から脱却するには、一般的には「自己肯定感の構築」や「自己探求と目標設定」、「独立したスキルの獲得」が必要と言われています。
しかし、これらに取り組むには「今の自分を知る」ことは不可欠。
自らを知ることで自分への自信や劣等感を取り除くことが出来れば、依存心を捨てられる可能性があります。
そのためには、他者を軸とした思考や生活から『自分を軸とした生き方』に転換する必要があります。
自分軸での生き方を身につけて、自立した自分に生まれ変わりましょう。
自分に集中できるようになることで、心にゆとりを持てるように。
そのためには、自己覚知に有益なツールが必要。
私がオススメする下記ツールを活用すれば、『自分軸』で生活出来るようになります。
これにより、これまであまり意識できていなかった自分の「理想の未来」や「潜在的な欲求」が見えてきます。
ジャマな『他人軸』を排除して他に影響を受けずに自分にまっすぐに生きられるようになりましょう。
新しい自分に生まれ変わりたい方は、是非お試しを。
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【まとめ】
今回は『親子で依存し合ってませんか?マザコン・ムスコンを改善する方法』と題してお話しさせていただきました。
【この記事のまとめ】
マザコン・ムスコンを脱却したければ、息子の方から「いつまでもママに頼っている俺ってマジやばい」と考えるところから。
親子関係で悩んでいる方は、自分の心を整え、余裕をもたせることから始めましょう。
依存症は自覚がないのが難点。
「何歳になっても母親・息子への愛情があることは美徳だ」と考えるのは「危険」だと私からお伝えしたいと思います。
余計なお世話を承知の上で説明しました。
それでは。
以上、弥津でした。
マザコン、ムスコンから脱却する方法はないの?