こんにちは、ケアマネ&社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
若い方にとっても、家族の『介護問題』、他人事ではありませんよね。
自分の正義を大切にしているようなケアマネはNG。
今回は、高齢者福祉歴22年超の私が『悪いケアマネジャーの見抜き方&悪いケアマネにどう対処したらいいのか』についてお話しします。
ケアマネの良し悪しの判断に困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ケアマネに人の支援をする「適正」が備わっているのか
在宅で生活する高齢者やその家族にとって、ケアマネジャー(以下、ケアマネ)は心の拠り所となる大切な存在です。
だからこそ、ケアマネに『人の支援をする適正』が備わっているかは重要。
なかには自己中心的な思考の持ち主や、高齢者や家族責任転嫁するケアマネもいます。
このような人に担当されては、自分の望む生活を構築する妨げになってしまいます。
どのような傾向があればNGケアマネなのか、知っておきたいですよね。
悪いケアマネの見抜き方のポイント7つ
知人にケアマネがいれば、迷うことなく頼めるのでしょうが、多くの方は誰に頼めばいいのか分からないという感じでしょう。
担当するケアマネとの出会い方は
- とりあえず病院や地域包括支援センターに紹介してもらった
- とりあえず近くにある事業所に頼んだ
といった感じでしょうか。
自分で良し悪しを判断してケアマネを選んでいるという人、少ないですよね。
そこで、以下のような傾向のあるケアマネはNGだというポイントを整理してみました。
- 自分のキャリアを説明して安心させようとする
- 連絡が取りにくい
- 時間の融通が利かない
- 質問しても出てくる情報が少ない
- 言い訳が目立つ
- その場ですぐに断る
- 本人・家族の意見を聞く機会が少ない
このような傾向のあるケアマネであれば、交代を視野に入れましょう。
①自分のキャリアを説明して安心させようとする
- 「私はケアマネを〇年以上している」
- 「私は今まで◯◯◯人以上の人の担当をしてきた」など
『経歴・実績』で自分を大きく見せようとする傾向のあるケアマネは気をつけましょう。
私の経験上、このような『中身のないただの数字』で自分をアピールする人は、自己顕示欲が強く、他者への思いやりにかける傾向があります。
自分を優位にするためのマウンティングをする癖がある人です。
上から目線で、優しさに欠ける可能性があります。
自分のキャリアを自慢のように話す癖のあるケアマネは、いざという時、親身になってくれないので避けた方がいいです。
「自分はまだまだ学ぶところが多い」という謙虚な姿勢を持つ人柄のケアマネを選びましょう。
②連絡が取りにくい
ケアマネは、事務所を不在にしている時間が長く、連絡が取りづらい時があります。
急な対応が必要な際に備え、携帯電話の番号を教えてくれるケアマネがいるかと思います。
連絡があったの反応の早い遅いに、その人の誠意が出るものです。
折り返し電話が極端に遅いケアマネは、誠意に欠けている可能性があります。
「先方は折り返し連絡を待っているだろう」と想像し、すぐに電話しようとする努力を示せる人は、人格者です。
その反面、自己中心的な人は、自分の多忙さにしか目が行かず、他者への配慮が欠ける傾向が出てしまいます。
ストレスを感じずにやり取りできるケアマネは、優秀なケアマネと言えます。
③時間の融通が利かない
時間の融通が利かないケアマネには気をつけましょう。
時間の調整には、その人の自己中心さ加減が表れます。
自己中心な人ほど、他者の時間に合わせるのが苦手。
こちらが都合のいい日時を伝えても、簡単に却下するようなケアマネは、その他の要望も聞いてくれないでしょう。
こちら側の要望によって、変幻自在に計画や予定を変えられるケアマネを選びましょう。
④質問しても出てくる情報が少ない
実力の備わっているケアマネであれば、法令や制度、事業所情報のような豊富な知識を有しているはず。
質問してもスッキリとした知識や情報提供をしてくれないケアマネであれば、他者の支援をするスキルが不足しているのかもしれません。
日々の業務に真摯に向き合っているケアマネは、自然に事例の引き出しが増えていきます。
その一方で、テキトーに人と向き合っているようなケアマネは、過去の事例が頭に残りません。
質問・相談をされても、答える能力が備わらないのです。
質問に対して多くの選択肢を提供できるケアマネを選びましょう。
⑤言い訳が目立つ
言い訳の多い人は、ケアマネでなくとも信頼できませんよね。
自分の言動に責任を持てないからこそ出てくる『言い訳』。
会話をしていて、責任感が薄い言動がみられたら、信用に値しないケアマネかもしれません。
方向性が見つからなかったり、想像通りにいかなかったりした時は、つい動揺して人の本性が出るもの。
上手くいかないことがこちら側に原因があるかのような言い方をするケアマネは、信頼できません。
責任感の強さと柔軟さを感じる言動の出来る人に担当してもらいましょう。
⑥その場ですぐに断る
こちら側の要望に対して、検討なくすぐに「NG」を出すケアマネには気をつけましょう。
たとえば、『原則認められない』とされている高齢者支援であっても、それはあくまで『原則として』です。
状況によっては、『例外』として認められるケースがあります。
あるいは、探せば代替え案がある可能性も。
それなのに
- 「それは難しいですね」
- 「それは無理だと思います」
- 「以前ダメだったので、今回もダメでしょうね」
と検討・確認なしにその場で却下するケアマネは、丁寧さに欠けます。
他者の希望を叶えるため、労を惜しまない姿勢をみせてくれるケアマネを選ぶようにしましょう。
⑦本人・家族の意見を聞く機会が少ない
本人・家族の意見を十分に聞かず、現行の介護サービス継続だけを淡々と行うようなケアマネも信頼できません。
本人の意向だけでなく、家族の意見も確認する『家族支援』の意識を持ったケアマネに担当してもらいたいところ。
基本は高齢者本人の意向を尊重することですが、家族との意見相違がある時はそのままサービス調整をするとトラブルになる可能性が。
本人だけでなく、家族と積極的に連絡をとり、在宅介護の方針を共に考える姿勢を見せるケアマネに担当してもらうのがいいでしょう。
また、良いケアマネの見極め方については、関連記事『NGケアマネジャーの見極め方!ケアマネが持つべき視点も解説』(※別ウィンドウで開きます)でも説明していますので参考にしてみてください。
悪いケアマネが担当になった時の対処法2つ
それでは、紹介されたケアマネを信頼できない時、どう対処すればいいのかを考えましょう。
- 地域包括支援センターに相談する
- 身近な口コミ情報を集める
ようするに
『ケアマネの交代』という対処法。
になります。
①地域包括支援センターに相談する
ケアマネ本人に、「変わって欲しい」と直接伝えづらい時があるでしょう。
そんなときに相談したいところが、『高齢者のよろず相談所・地域包括支援センター』です。
私が地域包括支援センターに在籍していた当時、「ケアマネさんと相性が合わない、対応に不満がある」といった相談にときおり対応していました。
地域包括支援センターには、「ケアマネの後方支援」という機能があります。
高齢者と家族、そしてケアマネ間のトラブルを、双方に配慮しつつ、解決に向けた協力をします。
地域包括支援センターに相談し、新しいケアマネさんを紹介してもらいましょう。
どのようなケアマネがいいと率直な意見を伝えることをおすすめします。
新しいケアマネの紹介と交代までの支援をしてもらえるます。
②身近な口コミ情報を集める
優秀なケアマネをみつける方法として、口コミ情報は活用できます。
親戚や知人、職場の同僚などから、ケアマネの情報を聞いてみましょう。
親や祖父母が在宅介護を利用しているという方、こちらが知らないだけで、それなりにいるかと思います。
ケアマネに対する評価は、経験者の「生きた意見」が有効。
評判のいいケアマネがいれば事業所名と名前を聞いて、自ら連絡・相談するのがいいでしょう。
【まとめ】
ケアマネの質によって、高齢者の生活の質も変わってきます。
納得できるケアマネに出会えるように、見る目を養いましょう。
- 悪いケアマネの見抜き方のポイント7つ
- ①自分のキャリアを説明して安心させようとする
- ②連絡が取りにくい
- ③時間の融通が利かない
- ④質問しても出てくる情報が少ない
- ⑤言い訳が目立つ
- ⑥その場ですぐに断る
- ⑦本人・家族の意見を聞く機会が少ない
いちがいに、これらの傾向があるケアマネのすべてが悪いとは言えませんが、ひっかかる点があれば、我慢しないように。
ケアマネ本人のスキルアップにもなるので、不快・不満に感じた点は伝えるようにしましょう。
しかし、不平不満を押し付けるだけでなく、ときに「ケアマネを育てる」という考え方も大切です。
支援者との良い出会いで、快適な在宅介護を。
それでは。
以上、弥津でした。
両親・祖父母に介護が必要になった。
信頼できるケアマネを選ぶポイントを知りたい。