NGケアマネジャーの見極め方!ケアマネが持つべき視点も解説

手を繋ぐケアチーム
問題を解決したい

家族として、親に合う良いケアマネに出会いたい。

良いケアマネの見極め方は何?

こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津@yazusui)です。

両親に介護サービスが必要になった時、管理をしてくれるケアマネジャー選びに神経をつかいますよね。

良いケアマネ、NGなケアマネはどう見極めればいいのでしょうか?

自分の正義で仕事をしているケアマネはNG。

弥津
弥津

在宅介護支援の経験をもつ私が、ケアマネの良し悪し判断について答えます。

ケアマネ次第で在宅介護が円滑にいくか、崩れるかが決まるといっても過言ではありません。

納得できるケアマネに出会えるように、判断材料を把握しておきましょう。

自分の親ならどんなケアマネに担当して欲しいか

介護保険の疑問が書かれた名札

私はケアマネメント業務をしながら、自分の親の介護について考える事があります。

家族の視点になった時、ふと

弥津
弥津

自分の親だったら、ケアマネからこんな言い方や考え方の押し付けをされると嫌だろうな・・・。

と思う事があります。


仕事として介護に携わると、どうしても仕事目線になってしまいます。

しかし、重要なのは「当事者意識」。

弥津
弥津

ケアマネジャーを本業にするなら、「もし、自分の親ならどんなケアマネに担当して欲しいか」を考え、自分自身がそうなるように努力するべきだと思います。

NGなケアマネの見極め方5つ

疑問に思う高齢者の人形

ケアマネの資格を持っているからといって、全ての人が「良き人格者」ではないのも事実。

弥津
弥津

そんな私も、人として、ケアマネとしてまだまだ未熟。

  1. 「拒否」という言葉をすぐに使う
  2. 認知症を「認知」と略す
  3. 高齢者や家族に対して「理解力がない」と言う
  4. 支援者の不都合を解決する話し合いをする
  5. 家族が仲良くする事が当たり前だと考える

このような特徴のあるケアマネはNG。

担当を変わってもらう等の措置を講じましょう。

①「拒否」という言葉をすぐに使う

両手を押し付けて拒否する男性

デイサービスやヘルパーなどの介護サービスを勧めても希望しない高齢者や、その家族がいます。

本人が必要ないと言えば、本当に必要ないのかもしれませんし、ごり押ししたところで円滑な利用にはなりません。


それにもかかわらず、ケアマネの言う通りに従わない高齢者と家族を指して

拒否』という言葉を何気に使う支援者は、自己中心的な性格の持ち主。

例えば、

  • 「介護保険について説明したのですが、お父様は拒否されました」
  • 「デイサービス利用を提案したのですが、Aさんは拒否しまして」

といった感じで用いられます。

弥津
弥津

この『拒否』という言葉に違和感がある私。

  • 「希望されませんでした」
  • 「今回は見送るというご判断でした」
  • 「遠慮したいというお話しでした」

このような表現でいいのではないかと思います。

そこを『拒否』という強い言葉で表すのは、相手への見下しや否定的な目線を感じるのです。


そもそも誰だって、自分の嫌いな事や、必要性を感じていない事には「必要なし」という意志を示しますよね。

それを面と向かって「拒否された」と表現されたら、みんなムカっとくるでしょう。

『拒否』という言葉を安易に使うケアマネは、他者の気持ちを推測する能力が欠けていると言わざるを得ません。

②認知症を「認知」と略す

認知症を「認知」と略して話す癖のあるケアマネジャーにも注意しましょう。

人への敬意は呼び方に表れます。

認知症を患った人への敬意が薄い人は、認知症を「認知」と略す癖があります。

病気や症状を重く受け止めている人は、病名すら軽々しくできません。

弥津
弥津

病名や症状を略されると、軽くみられているように感じますよね。

  • 「お母さまは、認知がありますか?」
  • 「一度、認知について主治医の先生にご相談を」
  • 「お元気なので、まだまだ認知の心配は必要ありませんよ」

などなど・・・聞いていて違和感しかない言い方。

その他の病名・症状名に関しても丁寧に言えないようであれば、心の寄り添いに欠けるケアマネだと判断してもいいでしょう。

③高齢者や家と族に対して「理解力がない」と言う

本を見ても内容が分からない人

介護保険などの制度や、介護サービス利用にあたっての流れなど、それに携わっていない人は理解が難しいものです。

それにもかかわらず

ケアマネジャーの中には、説明しても分からない高齢者や家族を「理解力がない」で片付ける人がいます。

弥津
弥津

自分の知らない法律や手続きを、一度聞いただけで全理解できる人がどれだけいるでしょうか?

ある意味、分からない事を何度も説明してもらう事は当然。

誰だって仕事を覚えるまでは何度も質問したり、真似したりしたはず。

他者の理解力を非難するケアマネジャー自体が、「人への理解力がない」のです。

④支援者の不都合を解決する話し合いをする

会議で話し合う三人

ケアマネジャーは、高齢者が在宅や施設で出来る限り自立した生活ができるように、マネジメント(管理)するのが仕事。

自立支援の方法を話し合うのが『サービス担当者会議』です。

しかし、ケアマネの中には、サービス担当者会議は「面倒な高齢者を介護サービスで監視・管理する方法を検討する会議」と勘違いしている人がいます。

弥津
弥津

要するに、介護サービスを利用させる事が前提の話し合いになってしまいます。

例えば、近隣住民から「引きこもり老人がいる。認知症にでもなって火事でも起こされると困る。どうにかしてくれ」と要請を受けたケアマネがいたとします。


そこで本人が嫌がっていた場合、家族を説得して介護認定を申請。

さらには、無理やりデイサービス、ヘルパーを利用させる前提でサービス担当者を開催し、利用調整。

弥津
弥津

本人・家族は、近隣住民や専門家の意見に反論できず言いなりに・・・。

介護サービスがスタートすれば近隣住民は満足でしょうが、月々の負担金(利用料金)は本人が支払います。

納得しての利用ではないので、ケアマネを含めた他者への嫌悪感をもったまま、高齢者はストレスだらけでの生活に。

苦情をいう近隣住民の見方になり、本人・家族の意向はそっちのけ。

無理やりサービス利用に繋げて事態を収拾しようとするケアマネは交代させましょう。

⑤家族が仲良くする事が当たり前だと考える

不仲な親子

高齢者の支援をするにあたり、家族との不仲で『支援者不在』の状況に出会う事はよくあります。

弥津
弥津

うちも家族不仲。

親への不満があるので、介護なんてしたくないというのが本音です。

そんな中、「実の子供なんだから親の世話を嫌がらずにしないと!」と、不仲家族に世話を強要するケアマネ仲間を目にした事があります。

しかし、これは親子双方にとって、大変酷な話。

私たちでは理解できない程の、過去の親子間の憎悪がそこにあった可能性があるからです。


子には親から激しい暴力を受けた恨みがあるかもしれませんし、出来が悪いとののしり続けられた憎しみがあるかもしれません。

疎遠になった家族を引っ張り出し、無理やり親子の縁を持ち出すのは、「家族支援」の側面がケアマネにあることを忘れています。

弥津
弥津

ケアマネであれば、本人と家族の「過去の関係性」を認め、寄り添うべきです。

親子関係が悪いようであれば、家族に頼らない方法を提案することも重要。

親も仲の悪い子供の世話にはなりたくないでしょうし。


親子の状況を考慮した上で、双方に負担のかからない方法を考える柔軟性のあるケアマネを探しましょう。

関連記事介護福祉士10年の私が思う介護職経験が人生に役立つ3つの理由』(※別ウィンドウで開きます)

家族も知っておきたい!ケアマネが「持つべき視点」2選

車椅子マークを支える手

ケアマネジャーが持つべき視点について説明します。

  1. 自分の正義で仕事をしていないか
  2. 人間関係の多様性を認めているか

この二点を持っているかを見極め、ケアマネの良し悪しを判断しましょう。

①自分の正義で仕事をしていないか

天秤をかかげる女神の像

支援者が誰しも、その人にとって最良の提案をしようとするものです。

しかし、それが行き過ぎると『自分の価値観』を相手に押し付けようとしてしまいます。

要するに、『自分の正義で仕事をする』ようになるのです。

例えば、清潔な住環境が好きなケアマネだと、生活雑貨で雑然としている高齢者の家を許せないと思います。

また、社交的な性格のケアマネだと、「一人でいるのが大好き」という高齢者は許せないかもしれません。


そうなると、余計なお世話を押し付ける支援になってしまい、その支援自体が『ケアマネの自己満足』を満たす目的だけの為に行われるものになりかねない。

第一に「相手(高齢者や家族)の正義は何なのか」を探ることが大切。

自分の常識を押し付けてくるケアマネジャーであれば、避けた方が良いでしょう。

②人間関係の多様性を認めているか

輪を作って並ぶ多様な人々

家族仲の悪さは、簡単には修復できないですよね。

家族仲は他者には触れて欲しくない「腫れ物」であるかもしれません。


独立した過程を築いている家族に、親の養護責任を押し付けるのは、双方にとってトラブルの素。

必要最低限の家族の関わりにとどめ、本人とサービスでどうにかならないかと検討するのが第一。

人自体に多様性があるように、「人間関係にも多様性」があります。

「家族は協力するもの!」、「子は親に恩返しをするもの!」などと、支援者側の都合のいい理屈で説得するのは避けるべきです。

また、ときには自宅に固執せず、安全に生活できる高齢者住宅入居を必要に応じて提案するのもケアマネジャーとしては重要な視点。

不仲な家族の力を無理に利用するよりは、高齢者施設入居の方が健全な「自立支援」になるケースがあります。


ケアマネ選びについては、関連記事悪いケアマネの見抜き方のポイント7つとその対処法2つ』(※別ウィンドウで開きます)でも説明していますので、参考にしてみて下さい。

【まとめ】

クローバーと介護保険の文字

以上、私なりのNGケアマネジャーの見極め方についてのお話でした。

【この記事のまとめ】

自分の正義で仕事をしているケアマネはNG。

他者目線にたって、多様性を認めているケアマネジャーを選ぼう。

ケアマネジャーとして働きたい人、または働き始めた人。

「間違いだらけの支援者」にならないように、私と共に「基本」を理解していきましょう!


それでは!
弥津でした。

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