こんにちは、高齢者介護で体温について考えさせられた経験を持つ社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
体温が低いと「体調が悪くなるのではないか」と思い、不安になりますよね。
例えば「35℃台だから無理して体温上げないと・・・」という考え方は、逆効果になる可能性があります。
結論、「ありのままの体温」で問題なしです。

低体温で温活が苦痛に感じている方に向けて、高齢者介護で多くの低体温の方と接してきた私が、その経験からお答えします。
低体温を気にしすぎて、ストレスを溜め込むと心身を消耗させます。
低体温でお悩みの方は、参考にしてみてください。
低体温でも元気な高齢者たち

人の活動レベルに悪影響が出る(例えば、眠気に襲われるとか)極度の低体温症は、さすがに問題があります。

でも、平熱が35℃台前半って人、珍しくありませんよね。
最近では『温活』と言われ、「健康の為に体を温めよう!」と唱えられています。

長年、高齢者介護の仕事をしてきた私としては、「低体温=不健康」というイメージはあまりないんですが・・・。
それどころか、ご長寿な高齢者のみなさんは低体温の方が多いように感じます。
低体温でも元気!

高齢者と若い人とでは違うのでは?
高齢者と若者では違うという意見があるかと思いますが、年代関係なく低体温の方が『消耗が少ない』というデータがあります。
無理に体温を上げると悪い理由

私が老人保健施設で介護士をしていた当時の話。
夜勤の朝、高齢者の方々の体温測定をします。
その当時から分かっていたこと。
「状態が安定している高齢者の方々は『低体温』の人が多い」という点です。

35℃前半なんて驚きません。
時々、何回測っても35.0℃ちょうどという人もいました。
そうかといって、日中は不活発、あるいは病気気味かというと・・・その逆でした。
当時、私にとって体温は36度台が当たり前と思っていましたので、当時は

こんな体温低くて、よく病気にならないな?
と、不思議でした。
しかし、今思えば・・・その方の適度な体温だったんだろうなって。
ぎゃくに、高い体温は高齢者には負担は大きすぎるので、良くないのでしょう。

みなさんも風邪をひいて体温が1℃上がるとキツイですよね・・・。
温活で体温を無理に上げることで、微熱状態になります。
一時的に代謝を高めるのは良いことでしょうが、それを長く続かせるのは体への負担が大きいので止めた方が良さそうです。
関連記事『私を半年悩ませた動悸をたった5日間で治した救心錠剤のレビュー』(※別ウィンドウで開きます)
低体温のままで大丈夫な理由3つ

それでは、「低体温は心配すべき状態なのか」について、もう少し詳しく見ていきましょう。
- 低体温は長寿の秘訣
- 体温が高いと体への負担が大きい
- 低体温は病気ではない
①低体温は長寿の秘訣
『低体温』とは、実際のところ何度台のことを指すのでしょうか。
医学的には36度を下回ると『低体温』に分類されますが、それほど心配する必要はありません。
引用:体温低いことが長寿の条件・体温高いと活性酵素増え老化進む(NEWS ポストセブン)
長寿者を分析した結果からは、むしろ『体温が低いこと』が長寿の条件の一つに挙げられています。
以下の引用にあるように、36℃を下回る、言い換えれば35℃台以下が低体温に分類されます。
昔から「冷えは万病の元」言われてきましたが、「体温が低いこと」は長寿の条件というのは驚き。
では、どうして低体温が長寿の条件の一つになるのでしょうか?
②体温が高いと体への負担が大きい

一般的に、体温が高い方が体への負担は大きいと言われています。
体温が高い状態は続くと、体への負担、消耗が大きいのです。

逆に、低体温の方が、体にとっては負担は少なく、消耗を減らせるってことなんですね。
そして、体温が高いとどのような悪影響があるのかについて、以下をご覧ください。
体温が高いということは、エネルギー消費の速度が速く、代謝がいいということ。
引用:体温低いことが長寿の条件・体温高いと活性酵素増え老化進む(NEWS ポストセブン)
その分、活性酸素が増え、老化が進み、がんなどにつながるリスクとなる遺伝子変化なども引き起こす可能性がある。
そのため寿命に影響するのではないかと考えられます。

体温が高い状態が続くと、エネルギーの消耗は早い。
また、代謝が良いと老化の原因である『活性酸素』が増えてしまいます。
さらには、活性酸素によって老化が早まると「がん」が発症するリスクも高まります。
一般的には、免疫力を高めてがんを倒すという目的で、体温を上げることを推奨する本や記事をよく目にしますね。
体温上げれば免疫力は確かに上がります。
しかし、がんの細胞分裂も活発になるというジレンマが。
そして、高体温で体を消耗し、抵抗力は落ちていく・・・がんに勝てなくなるという悪い流れに進んでいくのだとか。
③低体温は病気ではない

平熱が低い人は、無理して温活すると逆効果になる可能性があります。
その人の性格に個性があるように、体質にも個性があります。

画一的に「誰でも温活すればOK」という考え方は怖いですね。
まずは、「低体温=病気」と決めつけない。
そして、無理に高体温にしてもリスクがあることを理解しておく必要があります。
関連記事『私が疲れやすい理由は何?40代に必要な食材・栄養を調べてみた』(※別ウィンドウで開きます)
【まとめ】

今まで「低体温が最高」的なお話の展開でしたが、その一方で
低体温の方は、自律神経失調症や甲状腺機能低下症のリスクがあることには注意。
一般的に、高齢者の体温が低くなるのは、食が細くなり、カロリー摂取量が減っていることや、筋量の減少が関連しています。
ですから、体を冷やして強制的に体温下げるのも間違い。
【この記事の一言まとめ】
重要なことは、『自然な体温を無理やり変えないこと』。
例えば、体温が急激に下がって体調を崩しているようであれば、本来の自分の状態ではないので上げないといけないでしょう。
その時々で、体温の「普通」は変わってくるものです。
「病的で急激な変化」を感じた時に対処すればOK。
加齢などで生じる自然な変化は認めないといけませんし、慌ててはいけませんね。
気になるようであれば、病院で検査してもらうといいでしょう。
それでは!
以上、弥津でした。
「低体温」は無理してでも改善した方がいい?