こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
今回は『優しくない人が持つ傾向(理由)』について考えていきます。
反面教師にして、優しさを身につけていきましょう!
私は長年、高齢者福祉の仕事をしてきましたが、優しくなれない人には『ある傾向』があると感じます。
優しさの基本を身につけるために、何が必要かを知りたい方には有効な記事かと思います。
是非参考にしてみて下さい。
苦しみを想像できる心が優しさを生む
では、優しさを身につけるために「優しくない人にはどのような傾向があるのか」について考えていきましょう。
それは
『病気に対して真面目に向き合えない』ということです。
人間として生きている限り、病気との縁は切れないですよね。
しかし、病気に罹った当事者にならないと、その苦しみを知ることは難しいもの。
特に、若い頃には罹患する可能性の低い『認知症』に関しては、他人事でしょう。
そのほかにも、『がん』、『心臓病』、『脳卒中』といった三大疾患においても20代、30代あたりの世代にはピンとこない人が多いのでは。
それに、『難病』は縁遠い話のように思っている人もいるでしょう。
だからこそ、若い時に病気にかかっている人の苦悩をイメージできる人はレア。
病気の苦しさが分かる人は、幼い時に身内の誰かが病気に苦しんだか、自らが苦しんだか。
若い時に得た、病気に対する貴重な経験をもとに、自然に『苦しみを理解する心』を獲得したのだと思います。
苦しみを想像できる心が、優しさを生むのではないでしょうか。
病気の苦しみが分かる人はなぜ「優しい」のか
- 優しくする方法が分からないまま大人になった人たち
- イメージ力のある無しで決まる「優しさの有無」
ここからは、私の仕事の経験をもとに病気と優しさについてお話ししていきます。
①優しくする方法が分からないまま大人になった人たち
私が働く高齢者福祉業界。
優しい対応ができる人が適任の仕事と言われていますが、全員が優しいわけではないのは事実。
たとえば、認知症にかかった高齢者の記憶力のなさや判断力のなさを非難するケアマネ・介護士は今も昔も存在します。
病気に苦しむ高齢者相手に優しくできない人は、『優しさのベース』が培われていないまま大人になったのではないかと考える私です。
そのような人は、「優しい風な口調」をしても、随所に病気に苦しむ高齢者を責める・軽視する言動が出てしまいます。
心の豊かさは幼い時からの『環境』による影響を強く受けます。
親が優しさの手本を示してみせれば、子供は自然に優しくする方法を覚えます。
病気や障害に対して優しくする姿を幼い時から見せてもらえていないと、優しくする方法が分からない大人になってしまうのです。
関連記事『適度な優しさは何?依存されないコツと上手く行動を促す方法』(※別ウィンドウで開きます)
②イメージ力のある無しで決まる「優しさの有無」
病気は人間が体験する『苦しみ』の中で一番身近なものと言えます。
それに病気は多様ですし、罹ってみないと心底その苦しさが分からないもの。
祖父母や両親、親戚、友人、同僚・・・自分の身近に病気に苦しむ、あるいは苦しんだ経験のある方がいるはず。
苦しみを理解できる人は、『苦しみに共感』する経験の引き出しをもっています。
それがゆえに
優しさにあふれた人は、苦しみを想像する経験の引き出しから『イメージする力』があります。
また、病気の実体験はなくとも、自らの過去の苦しい経験から似たものを引き出し、当てはめる能力が長けています。
それは生まれつき備わるものではなく、身近な人から得る情報で蓄積される能力。
たとえば私の場合、幼い時に脳梗塞の重い後遺症で身体麻痺・言語障害を持った祖父と、同じく脳梗塞で寝たきりになった祖母との関わりで、人に優しくする方法を学んだつもりです。
好きだった祖父母の辛そうな姿を見た経験があるからこそ、病気で苦しそうにしている人を目の前にすると、瞬間的に祖父母の姿を思い出し、その人の気持ちを推測します。
私が誇れるほど優しいかは一旦置いておいて
病気などで苦しんだ人との関わりが、相手の辛い心をイメージする要素になることは間違いなさそうです。
病気の苦しみが分からない人が一生優しくなれない2つの理由
それでは、「優しくない人は、その後もなかなか優しくなれない理由」を見ていきましょう。
- イメージ力がないがゆえの他人の苦しみからの逃げ癖
- 自分の好みの空気にする悪しき習慣がある
私はこの2点があるからだと考えます。
①イメージ力がないがゆえの他人の苦しみからの逃げ癖
人の苦悩をイメージする力は、幼少期からどれだけ「他者の喜怒哀楽を感じて生活してきたのか」によって身に付くか否かが決まると思います。
優しくできるかどうかは、親類や友人のような身近な人から得た、多くの「感情のメモリー」があるかによるのはないでしょうか。
幼少期から過保護だったり、大人から適切な助言や指導を受けずに育ってしまった場合、大人になってもその場の空気にあった感情になれない時があります。
たとえば、人が悲しい時に一緒になって悲しい気持ちになれないとか、嬉しそうな時に一緒になって嬉しい気持ちになれないとか。
優しくする方法を知らない人は、つらい話題になると、その場から「逃げ出したい」と思ってしまいます。
他者の苦しい境遇を聞かされると、「私には関係ない」と思い、自らに襲いかかるストレスを回避しようとするのです。
②自分の好みの空気にする悪しき習慣がある
自分勝手な人は、自分の好む空気で快適に過ごすことにこだわります。
たとえば、気楽な空気を好む人は、深刻で重苦しい空気をなると、ふざける態度をとるなどして無理やり「好みの空気」に転換します。
関連記事『真面目な話題の時にふざける癖のある人の心理と4つの対応策』(※別ウィンドウで開きます)
他者に優しくすることより、自分を大切にすることを優先してしまいます。
そうなると、他者の苦しみを受け止めることが出来ず、いつも他人事に。
自分を崩してまでも他者に合わせたいと思わないので、優しい態度がとれない傾向があります。
【結論】病気の苦しみが分からない人は優しくなれない
『アドラー心理学』で有名なアルフレッド・アドラー氏は「人は自分の性格を変えようとはしないものだ」と言います。
人間には、自分にとって都合のいい情報だけを取り入れようとする本能があります。
ときに、事実が想像とは違っても都合のいいように解釈をねじ曲げます。
そして、常に「私の考え方は正しかったのだ」と、自分を納得させようとするのです。
また、自分にとって快適な空気や考え方を採用することで、自分の苦しみから逃れようともします。
マイペースでやっていきたいのに、他者の苦しみに合わせるなんて、それこそ「苦痛」。
やがて、他者の苦しい状況にそっぽを向く習慣がついてしまいます。
このような不合理な選択を心理学では『認知バイアス』と呼びます。
病気という万人で共有すべき苦しみに目をそむける人は、若い時から認知バイアスに支配されているのではないでしょうか。
自分を守るために発動される『認知バイアス』は、無意識発動であるため、セルフコントロールが難しいと言われています。
幼い時から人の苦しみの代名詞である「病気」に対して寄り添う心がついていないと、認知バイアスに邪魔されて優しくなれないのです。
心のモヤモヤ・イライラが改善できるサービスを、こちらの記事で提案しています。
心をすっきりさせたい方は参考にしてみて下さい。
関連記事 『在宅で取り組める心のモヤモヤ・イライラを改善する方法まとめ』(※別ウィンドウで開きます)
【まとめ】
今回は『人の病気の苦しみが分からない人は一生優しくなれない理由』について説明しました。
若くして優しさを習得できている人は、子供の時から人の苦しみに対しての感受性が養われてきたのでしょう。
それでは、大人になってから優しさを身につける方法はないでしょうか?
優しさを身につける訓練として有効な方法は
『優しさある人(良い手本)をみつけて、言動をコピーするように心がけること』。
また、心が疲れていては誰しも優しくなれないものです。
ストレス解消に向けての取り組みも忘れないようにしましょう。
私と共に、他者に癒しを与えられる優しさを習得できるように心がけていきましょうね。
それでは。
以上、今日も勝手な理論をまとまりなく話す弥津でした。
優しい人になりたい!
何に気をつければいい?