こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
優しくすると依存されてつらいことに・・・どうしたらいいか分からなくなりますよね。
「してあげる」は他者の「出来る」を減らす結果に。
行動を促すヒントだけ与えるようにしましょう。
他者に優しくする方法を知りたい方に向けて解説します。
優しくしすぎると、思うとは裏腹に依存されて辛い状況になりかねません。
適度な優しさと方法を理解して、円滑な人間関係を築きましょう。
無条件肯定は相手の成長のチャンスを奪う?
介護福祉士・社会福祉士として25年近く、人と接する仕事をしてきた私ですが、その中で「ある事」に気付きました。
それは、「相手の主張・訴えを全肯定するだけでは、本当の優しさとは言えない」ということ。
他者の訴えを全肯定し続けるだけでは、相手は成長しないから。
ようするに「してもらう」では、自分の力で考える癖が身につかないのです。
私は「(表面上の)優しさ」は、相手の「依存心」を生んでしまうと感じる体験がありました。
私が考える「大人としての優しさ」とは、ひとりで解決できる力を持つヒントを与え続けることではないかと思うのです。
関連記事『精神年齢を上げるコツ!懺悔の積み重ねで成長しよう』(※別ウィンドウで開きます)
全肯定は依存を呼ぶ
高齢者支援の仕事をしていると、依存的な人、自立心の強い人、それぞれと関わる機会があります。
その中で、心身が衰えて思うように行かない歯がゆさに苦しむ高齢者、そして介護に苦しむ家族・・・それぞれの悩みを「傾聴」する姿勢は支援者の基本。
関連記事『悪いケアマネの見抜き方のポイント7つとその対処法2つ』、『NGケアマネジャーの見極め方!ケアマネが持つべき視点も解説』(※別ウィンドウで開きます)
相談職は「傾聴」が基本ですが、実際にそれだけでは相談者を自立に導く事は難しい。
肯定だけでは、人の心の中にある依存心をかきたて、自立心が育たないのです。
全肯定は、時として依存を呼びます。
肯定ばかりするとどうなるのか
相談者の気持ちを受け止める姿勢として、「傾聴」は重要。
相手の意見が一方的かつ攻撃的であっても、黙って聞いて受け止めます。
ときに間違った考えを持っている人にも、同意姿勢を見せるのですが、そこが問題。
「無条件肯定」は、相手の間違いまで認めてしまうことになります。
間違った考え方を持つ人にまで、「認めてもらえた」という快楽を与えてしまう可能性があります。
「利用できそうな人を見つけた」と思われ、依存される事態にもなりかねません。
肯定によって何でも屋と勘違いされた私
私が高齢者のよろず相談所・地域包括支援センターに勤務していた当時のこと。
私の共感に依存したのか、様々な事に私に頼むようになった高齢者とその家族がいました。
介護の相談に留まらず、医療保険や通信販売で購入した商品の良し悪しの判断、銀行や病院関係の代行など、自らで判断・行動できるはずの内容まで私に電話しては依頼するという「依存傾向」が強くなりました。
私が家族代わりの支援は出来ないと伝えるものの、ちょっとした困り事を見つけては私に毎日電話してくる事に変わりはなく・・・。
あなたは、私の代わりに色々としてくれるんじゃないですか?
どうして急に逃げるんですか?
と、迫ってくるまでに。
私は、相手の主張や希望を肯定する意識が強いあまり、いつの間には「何でもしてくれる都合のいい人」になってしまっていたのです。
ぎゃくに「優しくない」とはどういう言動かを考える
ここからは、反面教師にすべく、ぎゃくに「優しくない人」について考えてみましょう。
- 困っている人をみると優越感を持つ人
- 自分の利益になる時のみ協力・助言する人
今回はこの2点を挙げてみました。
①困っている人をみると優越感を持つ人
自己顕示欲が強い人は、弱っている人をみつけると自分が過度に大きな存在になったと錯覚します。
優越感によって、他者を見下す態度をとるようになります。
相談を受けたとしても、上から目線でどこか面倒そうに対応。
困っている人に相談されると「してあげている」という感覚で横柄な態度が出てしまいます。
②自分の利益になる時のみ協力・助言する人
「自分の利益になる時のみ協力・助言する」というのも優しくない人によくある特徴。
相談や依頼を受けても、「それなら◯◯してくれると私が助かる」といった言い方で、ぎゃくに自分の利益のある方向に持っていこうとします。
相手の悩みや困り事には目が向いておらず、交換条件をつきつけて自分に損がない形にするのです。
このように、優しくない人には『自分が楽しい、そして得する』ことが優先される傾向があると分かります。
優しくない人は依存されることはないでしょうが、頼りにもされません。
依存されたくなければいっそのこと、人を寄せ付けないという考え方があるでしょう。
関連記事『人の病気の苦しみが分からない人は一生優しくなれない理由』(※別ウィンドウで開きます)
依存されない「適度な優しさ」とは?
それでは、「依存されないけど頼りにはされる」、このような丁度いい程度の『優しさ』は何がポイントなのでしょうか?
それは、協力する際は「自立できるための方法・ヒント」を与えることに徹するということ。
相手の悩みや主張を認め、気持ちに共感します。
ただ、これだけでは先程の話のように依存心を掻き立ててしまいます。
共感の後には、「あなたが出来ることを考えてみましょう」という提案をするようにしましょう。
「今のあなたのままで良い」では停滞したまま・・・そして、自らの脚で進まなくても良いと言っているようなもの。
このような時は、「私がしてあげるよ」ではなく、「君がどうすれば誤解を解けるか一緒に方法を考えてあげるよ」と伝えるといいでしょう。
また、友人から「彼女と喧嘩して口を利いてくれなくなった」と相談された時、「俺が誤解と解いてあげるよ」といい、仲直りのきっかけを作ってあげるとか。
しかし、それでは二人の仲は根本的には直らない。
一緒に前に進む方法を考える姿勢を見せるだけでも、相手は優しさを感じてくれるでしょう。
「解決に向けて歩み出すのはあなた」という意思を示せます。
自分軸に変えて優しさを身につけよう
他者主体や周りの環境に大きく影響を受けて生活していると、どうしてもイライラが強くなり、精神的に辛くなってきます。
他人を軸とした生活から、自分を軸とした生活に変更すれば、適度な優しさを身につける余裕が出てくるでしょう。
他人から影響を受けてしまう『他人軸』ではなく、『自分軸』で生きてみる方法を身につけて自らを変えてみてはどうでしょうか。
自分を軸とした生き方に変えて余裕を身につけましょう。
自分に集中できるようになることで、心にゆとりを持てるように。
そのためには、自己覚知に有益なツールが必要。
私がオススメする下記ツールを活用すれば、『自分軸』で生活出来るようになります。
これにより、これまであまり意識できていなかった自分の「理想の未来」や「潜在的な欲求」が見えてきます。
ジャマな『他人軸』を排除して他に影響を受けずに自分にまっすぐに生きられるようになりましょう。
新しい自分に生まれ変わりたい方は、是非お試しを。
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まとめ
今回は『適度な優しさは何?依存されないコツと上手く行動を促す方法』について解説しました。
【この記事のまとめ】
「してあげる」は優しさではない。
行動のヒントを示して、自主解決を促せば自分の責任は果たしていると割り切りましょう。
さらには、悩みの解決に向けて考えてくれたその時間の共有だけでも「優しさ」と言えるのではないか。
「何かしてあげないと・・・」と考えてしまう人は、都合のいい依存できる人になってしまいます。
自分がしてあげる前提ではなく、どうすれば行動を促せるかを考えてあげることがバランスのいい優しさ表現だと思いますよ。
それでは。
以上、弥津でした。
優しくすると依存される。
適度な優しさと、相手に行動を促す方法を知りたい。