こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
このように、親の価値観を押し付け続けると子供さんの『伸びしろ』を奪う結果になり兼ねませんよね。
成長の種は、自分で得た成功・失敗から!
親の忠告が過剰にならないように注意。
お子さんの進路が心配な親御さんに向けて、同じく子育て奮闘中の私がお答えします。
子供の将来を心配するあまりに親の価値観で進路を決めてしまうことってありますよね。
でも、それは子供の伸びしろを絶っているだけですよ。
親の心配が過剰だとどうなるのか
親であれば子供の将来を心配するものですよね。
しかし、親の心配が過剰になるとどうなるでしょうか?
親が自分の経験値だけで善悪を判断し、子供を自分の線路に乗せて走らせようとします。
親としてはその方が安心だから。
関連記事『親が子供に優しく接する為に必要な「放任」の仕方5選』(※別ウィンドウで開きます)
ようするに、自分の安心、満足の為に子供の進路を決めてしまうのです。
これを親は何の問題だとも思わずに正しいと信じて子供に押し付けます。
こうなると、子供は自分の夢や希望を叶える為に進むべき道を絶たれてしまう。
この絶たれた経験が親への怒り・恨みとなり、虐げられた感覚は自分への自信のなさへとつながってしまうのです。
親は自分の経験が万人に通用すると勘違いしやすい。
自分の価値通りに愛すべき子供を動かすことで、自らの欲求を満たそうとしているだけです。
親が子供の夢を応援する大切さを考える
私が以前読んだ本、『子どもの力は学び合ってこそ育つ(金森俊朗氏著)』の中にこのような指摘があります。
「子どもたちは他者に対する暴力よりも、むしろ自分に対して暴力性を向けている」
「自分はダメだ、自分はいなくていいと、自分を破壊に追い込む側面を強めている」
この指摘は私としては自分の事のように感じます。
私自身、親から肯定された経験はなく、悪環境の中で育ったゆえに自己肯定感の少ない大人になってしまいました。
今でも自分に自信が持てずに行動が後手後手になる傾向があります。
それについては別の記事にまとめていますのでご覧ください。
関連記事『毒親育ちの特徴と親から解放されて自分を改善する方法を解説』(※別ウィンドウで開きます)
関連記事『承認欲求が弱い人は得なのか?特徴や心理が分かれば誰でも変われる』(※別ウィンドウで開きます)
幼い時から自分を認めてもらえずに育つと、自分をダメな人間だと信じるようになります。
そうなると、前述の引用のように暴力の矛先は自分に向くように。
自分の心や体を傷つけ、そしていつしか自分の殻にこもる状態になってしまいます。
最近は児童の不登校が増えていることが問題視されています・・・こちらも現代の親子関係問題と関連があるように感じる私です。
以下のグラフは文部科学省の『児童生徒の問題行動・不登校等調査(2018年2月)』で発表された「不登校児童生徒数の推移」です。
ここ数年から伸びが加速してきているのが分かりますね。
不登校の原因は多様で、学校でのいじめや学力不振、無気力、精神的な未熟さ、発達障害などが挙げられます。
そしてその原因には『家庭環境』も含まれます。
親同士の不仲や親とのコミュニケーション不良・・・親が子供の希望を認めないのも不登校の大きな要素だと私は考えます。
私も中学、高校で親が自分の頑張りを認めてくれなかったことがきっかけで、部屋にこもるようになり、親とのコミュニケーションの機会が減っていきましたから。
学校に行きたくないと思う原因は家庭環境でした・・・。
私の経験上、家庭環境が子供の心の成長に大きな影響を与えると思うのです。
上記の不登校が増加しているのも家族の機能が低下しているからではないかと。
家族に拠り所があれば、家庭外でのトラブルにある程度は耐えられますし、対処できます。
不登校児童の上昇というデータをみると、親が子供を充分に認めていないからではないかと想像し、憂慮する私です。
親が味方になってくれることは、子供の心の安定に必要不可欠。
それがないと、子供の心が育たないと想像できますね。
子供は親の「肯定」を求めている
私が毒親に育てられたのにそこまで心が崩壊しなかったのは、祖父母の存在があったからです。
祖父母の優しさがなければ、私はどうなっていただろうと・・・想像すると怖いですね、学校ではいじめられまくりでしたし。
振り返ってみると、私の心にどこか障害のようなものがあるのも家庭環境が原因だったわけで。
ようするに、おおもとは家族であり、『親』なんですよね。
ちなみに私の夢は『祖父母の自営業を継ぐこと』でした。
しかし、父から「小さな街で自営業をしたって潰れるだけだ」として認めてもらえませんでした。
地元で充分なパイプを築いていた祖父母の努力を継ぐ人間がいないことを憂えていた祖父母の言葉を一番近くで聞いていたからこその思いでした。
長年、祖父母の仕事を近くでみて体験していた私でしたから、祖父母への尊敬の念も根底にありました。
親からは『大学は公立大学以外行かせない』、『将来は公務員になる以外は許さない』と言われ、自由を失った私は心底打ち込める目標を見つけられないまま年を重ねていきました。
なりたい自分でない目標をかかげられても、全力をつぎ込めるわけがありません。
結果として、大学受験に全て失敗し、公務員学校にも行く気力もなく・・・浪人しても私立大学しか合格せず。
親からの『肯定』がないままだと、このように成長しないよという典型例。
夢を肯定されないと自分はダメだというネガティブなイメージに支配され、行き着く先は『永遠の自己否定』、『自己破壊』ですよね。
そういった意味では、子供は親の肯定を求めていると言えるのです。
将来の伸びしろを増やす為に必要な事
では、大人はどうして子供に価値観を押し付けるのでしょうか?
大人は『それなりの経験からそれなりの意見』をいう生き物です。
親が口うるさくなるのは、『親だから』というよりはそれなりの経験が溜まってきてるから・・・色々と余計な想像ができてしまうからです。
そういった意味では、親が子供に余計な事を言うのは『必然』とも言えます。
これは、子供の時だって同じことがありますよね。
小学生でも中学生でも高校生でも、自分の失敗経験が鮮明に頭に残っている人は、友人に「これはするな」、「あれはするな」と余計な助言をしますよね。
ようするに、人の夢や希望の支障になる問題点は『経験』なのです。
経験のある人の押し付けに反発するには、それに対応するのに値する『同レベルの経験』を備える必要があります。
その経験がない場合は、人は反発できずに従うしかないのです。
子供が親に従うしかないのは、この『経験』がないことと、経済的に自立していないこと。
まず、第一に『経験』がない為に従うしかない状況に持っていかれます。
でも、親は良く考えるべき。
大人だって全知全能ではない。
だからこそ、我が子の能力や心の中も知らないはず。
親の冷えた目と評価で子どもがやる前からダメだと思わせていないか。
伸び代を絶っていないか・・・。
全知全能でも無い普通の人間である『親』がなぜ自分の価値観を押し付けられるのか。
子供は自分の遺伝子を受け継いではいるが、自分とは違う『他者』だと考えれば、自分の価値観で人の夢を奪う権利もないのではないか。
親は子どもの希望を押し返すのが役割ではなく、何でも受け止めるのが役割。
子供が夢を語れば、その夢に向かって踏み出す方法を示してあげればいい。
自分の出来ること、好きなことは、親が余計な心配をしなくても全て子供が理解するもの。
たとえ発達障害があろうが、社会で活躍できる能力は必ず何かある。
自分探しの旅に出ようとする子供を引き留めずに旅の準備を親が一緒にすればいい。
道を間違ったと思えば帰ってくる。
親は夢への準備と、暖かく迎える帰る場所を用意してあげればいい・・・そう思う私です。
【まとめ】
親の指示・指導が子供の伸びしろを絶つことになっていないかを考える大切さは私も理解できました。
今後は自分の今までの子供への言動を振り返り、余計な忠告をしていないかを見直したいと思います。
【この記事のまとめ】
成長の種は、親の忠告から得られるのではなく、自分の成功・失敗から得られるもの。
親の価値観を押し付けると精神的に不安定になる可能性大!
親は子供の自分探しの旅に後方支援する意識で!
親が良かれ思って行う指示・指導で、経験値の積み重ねや心の成長を阻害している意識が持ちたいですね。
私も一層気をつけていきたいです。
それでは。
以上、弥津でした。