こんにちは、社会福祉士ブロガー・弥津(@yazusui)です。
このように、自立したいのに何が問題で、何を心掛ければいいか分からず、悩んでいる方がいるかと思います。
自立を阻害している要因を見極め、依存脱却に向けて行動をとれば、いつでも自立できます。
私の公私における経験をもとに、依存的な生活を脱却するために、何をすればいいのかを今回お答えします。
- 「いい年して、いつまでも親もとに居て・・・」
- 「わがままばかりで、大人になりきれていない」
- 「人に依存するだけで、何も成長していない」
このような目で見られるのはイヤですよね。
私自身がそう見られたくないのもありますし・・・私と共に、自立に向けてどうすればいいのかを考えていきましょう。
自立に必要な要素は「経済力」と「経験」
結論、自立するためには『人に合わせることをやめる』のが重要!
『人に合わせる』の『人』とは、親であったり、友人、上司・同僚などなど。
この中で、自立を阻害してしまう一番リスクの高い存在が『親』だと思います。
親が自立していないと、その子供も自立が難しくなります。
親の持つ依存傾向は、その子供にも向いてしまい、自由を与えてもらえないからです。
親は『孤独』に陥ることを恐れて、子供を自分にそばに置こうとします。
そのため、学校や就職先、友人関係といった様々な点に口を出し、手を出し・・・。
自分のレールに乗せて走らせようとするのです。
そうなると、子供はアラフォーになっても自分で経験を積めないまま。
なかには、アラフォーになった子供に金銭を渡して、自分のそばに置き続けようとする親も。
ここまで来ると、子供は親に骨抜きにされたも同然で、自立への意欲が完全に消滅してしまうことに。
私は、社会福祉士として、このような自立出来ない親子と多く関わってきました。
そこで、自立できるか・できないかを決めるのは、以下の2つの要素が大きいと感じるのです。
自立に必要な要素は「経済力」と「経験」。
それをふまえて、以下で依存的な人の傾向と、自立のポイントについてお話ししていきます。
アラフォーになっても依存的な人の傾向
では、『アラフォーになっても依存的な人の傾向』を紹介していきます。
私と一緒に、自分に以下のような傾向がないか確認していきましょう!
- 経済力がない
- 困った時は親が解決してくれた(過保護)
- 親との共依存関係に陥っている
- 自分の力で成し遂げた経験に乏しい
- 承認欲求の強弱バランスが悪い
- 競争意識が薄い
- 孤独な状況で生活した経験がない
以下に順を追ってお話ししていきますね。
①経済力がない
ここでいう『経済力』というのは、自分一人で生活していく為のお金を、自分で稼げているのかということ。
大金を得る必要があるという意味ではありません。
自立できないまま家族と共にもつれた関係になる要因で多いのが、一人で暮らす経済力がないことです。
または、自分で稼ぐ必要のない生活を送っていること。
お金がなければ生活できませんよね。
自分で稼げなければ誰かに頼るしかありません。
この『頼る』という習慣が自立を阻害してしまいます。
②困った時は親が解決してくれた(過保護)
普通に生きていても困ったことだらけなのが人生ですよね。
その困り事をどれだけ自分の力で解決してきたのかが、自立度に大きく関わると思います。
困った時、親が何でも解決してくれたような生活を送ってきた人は、大人になっても他者に依存的になってしまいます。
過保護な環境で育つと、自分で考えて解決する方法を知らずに成長してしまうからです。
他者がどうにかしてくれることに脳が慣れっこになってしまい、楽な方法を選択します。
「自分の事は自分でどうにかしたい」と考える前に、脳が「人に頼ってしまおう!」と司令を出してしまう・・・。
「自分でどうにかしなさい」と言われても、考える術が分からなくなってしまいます。
③親との共依存関係に陥っている
前述①②の傾向が強いと、親子の『共依存』に陥りやすくなります。
『共依存』とは、以下のように説明されています。
「人を世話・介護することへの愛情=依存」、「愛情という名の支配=自己満足」。
引用:Wikipedia「共依存」
共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし、自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平穏を保とうとする。
たとえば、親は子供を溺愛するあまりに何不自由ない生活を提供し、そして子供はそんな親がいないと暮らせなくなる・・・このような関係です。
親が自立できないと、子供に離れてほしくないと思うように。
そして、子供は「親という沼」にハマってしまうのです。
アラフォーになってから共依存を脱却するには、それ相応の自覚と覚悟が必要になります。
共依存に関しては、関連記事『親が子供を突き放せない事から生じる「共依存」の悲惨さ』(※別ウィンドウで開きます)も参考にしてみて下さい。
④自分の力で成し遂げた経験に乏しい
私のように親との距離が遠い関係でも、『経験不足』では他者依存の傾向は解消されません。
学習やスポーツ、仕事で目標達成の経験が乏しいと、アラフォー以降も依存的に。
自信がなければ、一人で行動を起こせませんよね。
その自分の源は、成功体験。
他者にしてもらうことで済ませてしまうと、成功経験が身につかないので、いつまでも自立できなくなってしまいます。
⑤承認欲求の強弱バランスが悪い
誰にも『承認欲求』があります。
承認欲求とは以下のようなこと。
承認欲求とは、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求であり、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれる。
引用:Wikipedia「承認欲求」
この欲求が強すぎると他者への要求が強くなり、依存的になります。
その逆で、弱いと何事にも悲観的で、優柔不断に。
強いも弱いも、他者に求める機会が増えてしまうので、自らの承認欲求がどの程度なのかを把握する必要がありますね。
承認欲求については、関連記事『承認欲求が弱い人は得なのか?特徴や心理が分かれば誰でも変われる』(※別ウィンドウで開きます)で解説しています。
⑥競争意識が薄い
負けず嫌いな人は、自分の成長に貪欲。
その一方で、競争意識が薄い人は、自分が依存的であっても気にならない傾向があると思います。
周りに自立した人がいても、とくに影響は受けず、「今の自分で満足」という思考に。
良い意味では『平和主義』と言えるのですが、その反面、経験値に乏しくなるので、いざという時は他人任せになりやすいかも。
他者に「負けた」と思ったら、親や親戚、親友に後処理を任せたり、助言をもらって済ませてしまいます。
⑦孤独な状況で生活した経験がない
自立とは、ときに『孤独』なものだと私は考えます。
適度に他者に依存できる体制が必要とも感じます。
しかし、孤独にあまりに弱すぎると、他者依存から抜け出すことが難しい。
一人になるとホームシックのような心境になるのは、孤独な状況で生活した経験がないから。
孤独に弱いままだと、「苦しいから、誰かに頼れる元の鞘に戻ろう」となってしまいます。
アラフォーになってから自立する為のポイント7選
私なりに、社会福祉士としての業務での経験、そして私的経験をもとに、『アラフォーになっても依存的な人の傾向』を考えてきました。
それでは、『アラフォーになってから自立する為のポイント』は何でしょうか?
私としては、以下の7点が大切だと思います。
- 一人暮らしをする
- 未来年表を作る
- 自分の長所・短所を理解する
- 定職に就いて集中して働く
- 未知の分野の友人を作る
- 自立した異性と付き合う
- 貯金をする
「自立する為に何が必要なのか」を考えるきっかけになれば幸いです。
①一人暮らしをする
一人暮らしの経験は、私としては自立に向けての絶対条件だと考えます。
親もとから離れて(できれば簡単に帰れない場所で)生活し、一人で生きるノウハウと度胸を身につけましょう。
大学受験に失敗した私は19歳の時に親もとを離れ、他県で一人暮らしをしました。
また、大学も他県でしたし、4年間バイトをしながら生活費を工面していた経験があります。
私としては、若い時の親から離れた経験が、親依存脱却に大きな意味があったと振り返ります。
一人暮らしが可能な状況であれば、自立の訓練だと捉え、一人で生活してみてはどうでしょうか?
②未来年表を作る
私が仕事で関わった共依存の息子さん、娘さんを見て気付いたことがあります。
それは、『将来の計画がまったくないこと』。
なりたい自分を可視化するために、未来年表を作成してみましょう。
まずは、5年・10年スパンで自分がどう変化しているのかを推測してみましょう。
そして、自分が何に憧れ、どのような自分に成長したいのかに気付くでしょう。
長期目標をたてたら、それを達成するために1年おきに何をするのかを記載。
目標ができれば、自分の力でどうすれば達成できるのかの方法論を書き込んでいきましょう。
③自分の長所・短所を理解する
一人で行動する力を得るには、自分自身を理解することが大切です。
自分の長所・短所をノートやスマホのメモアプリなどに書き込み、自分がどのような人なのかを把握しましょう。
長所が分かれば、行動に勇気が出てきます。
また、短所が分かれば、注意するべき点が理解できます。
一人で行動する勇気を得ると共に、行動が慎重になることから、成功体験を積みやすくなります。
関連記事『気付く人と気付かない人の違いは何か?気付く人になる為に必要な事』(※別ウィンドウで開きます)
④定職に就いて集中して働く
依存的な傾向が解消できない理由として、「自分に集中できていない」点も考えられますね。
親や友人・知人に意識が行き過ぎていると、学習や仕事に身が入らないもの。
他者に傾いた意識を自分に集中させるため、定職に就いて黙々を働いてみましょう。
私の場合、高齢者介護の仕事にやりがいを感じてから、親への依存心が消えたように感じます。
給与はとても安かったですが、そのなかでも一人でやりくりしていました。
今思い起こせば、親に頼ろうという意識はまったく起こりませんでしたから。
その理由は、「介護の仕事をしている自分への満足感」があったと。
自分の仕事に自信が持てるようになると、他者への依存心は自然に薄らいでいくでしょう。
⑤未知の分野の友人を作る
前述の『共依存』に陥らないためには、子供が親から卒業する意識が重要です。
そのためには、親以外の交友関係を充実させる必要があります。
自分が今まで交流しなかったジャンルの友人を作ってみましょう。
幼なじみとの交流でもいいのですが、どうしても新たな刺激に乏しいですよね。
自分の価値観を変える出会いというものは、今自分がいるジャンルとは違うところにあります。
自立するヒントを得るために、『新たな風』を吹き込む機会を求めましょう。
⑥自立した異性と付き合う
自立意識を高めたい場合は、大切な人からの影響を受けるのが有効です。
とくに恋人であれば、その影響は大きいですよね。
自立した異性とお付き合いすれば、自然に自立意識が高められるでしょう。
もし、自分に甘えや依存心が残っているようであれば、お付き合いは上手くいかないはず。
自立した姿を学び、意識が変化すれば、交際も円滑にいくように。
信頼できる異性と出会えれば、父性・母性を求める傾向が弱まり、自立していけるでしょう。
⑦貯金をする
アラフォーになって自立できずにいる人の言い訳のひとつが、『貯金がない』。
私が共依存の改善支援をした息子さん・娘さんから再三聞かされた言い訳がこれです。
自立した生活を始めるにしても、準備資金は必要。
家族に依存した生活を続けていると、貯金する必要を感じませんよね。
ある意味、親の貯金が自分の貯金みたいなものですから。
経済的に自立する準備として、自分で稼いだお金は自分で貯める習慣をつけましょう。
【まとめ】
今回は、『アラフォーになっても依存的な人の傾向と自立する為の7つのポイント』を紹介しました。
私の公私の経験をもとにお話しした内容ですので、多少指摘や提案にクセがあるかと思います。
それは、私にとっての備忘録にもなるかと考え、今回あえて一つの記事としてまとめさせてもらいました。
もし、自分がなかなか自立できないとお悩みの方がいれば、行動を起こすきっかけとしてみてください。
他者に依存するより、自立した生活をした方が楽だと気付くでしょう。
まずは、自分に人に合わせる癖があることを自覚。
そして、自分だけで考えて行動する環境を作り、そこに身を置きましょう。
自立できないのは、自分だけの問題ではないケースがあります。
とくに、親とどう距離をとるのかは非常に重要。
自立のために、いち早く『親から卒業』しよう。
関連記事『親子で依存し合ってませんか?マザコン・ムスコンを改善する方法』(※別ウィンドウで開きます)も、『親からの自立』の必要性について記載していますのでご覧ください。
それでは。
以上、弥津でした。